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3.サウスサイドコレクション

【ダーティサウス・ヒップホップ】SOUTH SIDE COLLECTION「最高峰のアーティストたち」

3.サウスサイドコレクション
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 「アトランタ・ニューオリンズ・ヒューストン・メンフィス・マイアミ」を中心としたアメリカ南部エリアで誕生し、1990年代後半から徐々に人気を獲得していったヒップホップの新しいジャンル「ヒップホップ・サウス」。

 インパクトのある強いビートを用いた重厚感あるサウンドに、アメリカ南部特有の強い訛りを用いたラップ、そしてシンセサイザーを多用し派手なメロディーラインを組みあげ、ワイルドな曲調へ仕上げるのが「ヒップホップ・サウス」の大きな特徴です。

 「ヒップホップ・サウス」は比較的新しいヒップホップのサブジャンルですが、ヒップホップは「東海岸&西海岸」だけの音楽ではなく、エリアに囚われずに「良い音楽は良い」を確実に表現する先駆者的な存在と言えます。

 さて今回紹介するアーティストは、サウスサイド・ヒップホップの黄金期を支え、名実共に最高峰とも言える実力を兼ね備えたアーティスト「Ludacris」「I-20」「Chingy」をご紹介いたします。

 初めてヒップホップを聴き方や、ヒップホップは聞いているけどサウスは初心者という方向けに、おすすめのアーティストやオススメアルバム&楽曲などを厳選してご紹介したいと思います。ぜひ参考にしてみてください。

 初めてヒップホップを聴く方へのわかりやすい解説を目指していますが、専門用語を含む表現が所々あります。
 聞きなれない表現もあるかと思いますので大まかな専門用語をまとめてみました。以下参考にしてみてください。

【メロディー/メロディーライン】

=曲を聴いたときに単一の実体として聴こえる音の線形を指します。
【ビート/ベースライン】
=「生ドラム」や「ドラムマシン」などを用いた重低音により、演奏するリズムまたはパターンを指します。
【トラック】
=ビートとメロディーを合体させた音の総称を指します。
【リリック】
=ラップ部分の歌詞を指します。
【ライム】
=似たような響きをもつ言葉を同じリズムで発することを指します。
【フロウ】
=声の高さや強弱・速度に変化をつけ、曲を印象付ける歌いまわしのことを指します。
【スラング】
=ヒップホップ専門の造語や、仲間内にだけ通じる暗号のような言葉を指します。
【メロー】
=ゆったり落ち着いたスローテンポな曲調で、繊細さを感じる曲調を指します。
【フリースタイル】
=その場で即座に歌詞をつけてラップを行うスタイルを指します。
【G-FUNK(ジー・ファンク)
=ギャングスタ・ファンクの略。落ち着いた雰囲気のトラックにハードなラップを合わせたもの
を指します。

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Ludacris
(リュダクリス)

 世界的に大ヒットを収めた映画「ワイルドスピード」シリーズの2作目より登場し、シリーズを重ねるたびに欠かせないキャラクターへと成長した「テズ・パーカー」役を務めた「Ludacris(リュダクリス)」

 俳優としての活躍が目まぐるしい「Ludacris」ですが、彼はアトランタ発の実力を兼ねそろえたベテランサウスラッパーの一人です。

 ワイルドスピード2では映画のテーマソングを提供するなど、サウスサウンドを駆使したラップスキルはかなりのもの。(上記で紹介しているミュージックビデオがワイスピ2の公式テーマソングにあたる楽曲です)

 彼のキャリアは、地元アトランタよりスタートします。

 アトランタのラジオ局『Hot97』の「Chris Lova Lova」という番組でのラジオパーソナリティーで人気を獲得し、2003年にリリースした「Chicken & Beer」のシングルカット「stand up」が全米で1位を獲得します。

 その後、2004年には「Usher」のシングル作品に客演として参加した楽曲「Yeah!」が全米11週連続1位を獲得し、第47回グラミー賞にて「最優秀ラップ・コラボレーション賞」を受賞するなど、大きな功績を残すに至ります。

 コミカルでおふざけ満点でありつつ、太くて響きのある声とスキルフルなラップでしっかり爪痕を残す「Ludacris」のおすすめアルバムとおすすめ楽曲をご紹介いたします。

おすすめのアルバム
Word of Mouf
<Ludacris>

 「Ludacris」のオススメアルバムはこちら「Word of Mouf」。

 サウスらしい重低音が効いたヘビーサウンドから、ゆったりとしたチルサウンドなど様々なタイプの楽曲が収録されています。

 初めて「Ludacris」を聞く方におすすめの内容です!

おすすめ楽曲①
Area Codes
<Ludacris feat. Nate Dogg>

要チェック!
楽曲No.7
「Area Codes」

 サウス特有のサウンドに西海岸のG-Funkを彷彿とさせるメロディーラインを取り入れ、さらに西海岸の客演王「Nate Dogg」がコーラスで参加し、曲全体の完成度を大きく仕上げています。

 ゆったりとした雰囲気がオススメポイント。

おすすめ楽曲②
Move Bitch
<Ludacris feat. Mystikal & I-20>

要チェック!
楽曲No.10
「Move Bitch」

 「どけよ、クソ女」と言う超激しすぎるタイトルからなるこの曲は、軽めのビートにダウントーンのメロディーラインを取り入れ、「どけよクソ女、さっさと道を開けな」と言う超攻めているラップを披露しています。

 真面目にリリックが激しすぎて草w!

おすすめ楽曲③
Child of the Night
<Ludacris & Nate Dogg>

要チェック!
楽曲No.6
「Child of the Night」

 重厚感あるテンポの良いビートに、チルアウト系のゆったりとしたメロディーラインをあしらった楽曲。

 「Ludacris」の太くて滑舌の良いラップが見事にマッチ。

 リリックも繊細さが伝わってきてグッド!オススメです。

おすすめ楽曲④
Spur of the Moment
<Ludacris Feat. DJ Quik & Kimmi J.>

要チェック!
楽曲No.10
「Spur of the Moment」

 西海岸の敏腕アーティスト「DJ Quik」を客演に迎え、太い声質で煽る様にラップした「Ludacris」渾身の1曲。

 トラックは「DJ Quik」が制作したため、思いっきり西海岸G-Funk仕様になっておりますがそこはご愛敬です、、、。

おすすめ楽曲⑤
Act A Fool
<Ludacris>

要チェック!
楽曲No.2
「Act A Fool」

 映画「ワイルドスピード2」の公式テーマソングに選ばれた名曲「Act A Fool」。

 ダウントーンのメロディーラインに太くてリズミカルなビート、そして「Ludacris」の大手を振るったラップは超一流の証。

 おすすめの1曲です!

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I-20
(アイ・トゥエンティー)

 迫力のある太い声質とハスラーなラップスタイルを武器に、重量感のあるサウスサウンドを駆使した楽曲をリリースする、ヒップホップサウスの新生「I-20(アイ・トゥエンティー)」

 彼もヒップホップ・サウスの本場・アメリカ合衆国ジョージア州アトランタの出身です。

 前文で紹介した「Ludacris」と深い親交があり、2000年にリリースされた「Ludacris」のメジャーデビューアルバム「Back for the First Time」に参加したり、「Ludacris」率いるヒップホップグループ「Disturbing Tha Peace」のメンバーとして在籍するなど、公私ともに親交が深い様子。

 2004年にリリースしたアルバム『Self Explanatory』でデビューを果たしますが、デビューアルバム『Self Explanatory』は11万枚以上も売り上げ、また俳優としても「Hustle & Flow」に出演するなど、「Ludacris」と同様に活躍の場を広げ、数々のチャンスをものにしています。

 独特なサウスサウンドと、太くて重厚感あるラップスタイルが魅力の「I-20」のおすすめアルバムとおすすめ楽曲をご紹介いたします。

おすすめのアルバム
Self Explanatory
<I-20>

 太めのサウス系トラックが満載のアルバム「Self Explanatory」。

 盟友「Ludacris」が客演として名を連ね、アルバム全体的に重厚感ある仕上がりとなっています。

 「I-20」の迫力あるラップスタイルも非常に魅力的でオススメです。

おすすめ楽曲①
Fightin In the Club
<I-20 feat. Tity Boi, Lil’ Fate & Chingy>

要チェック!
楽曲No.3
「Fightin In the Club」

 ダーティサウス・ヒップホップにふさわしい極太のビートと、ダウントーンを強調するメロディーラインがオススメポイント。

 極太のトラックに「I-20」の迫力あるラップが合わさることにより、より一層曲に磨きがかかっています。

おすすめ楽曲②
Backstage
<I-20 feat. Butch Cassidy>

要チェック!
楽曲No.5
「Backstage」

 サウス系のハイバウンスビートによる楽曲が多い「I-20」ですが、ゆったりとしたトラックでも「I-20」のラップは雰囲気を壊すことなく、曲全体のバランスを整えつつしっとりと歌われています。

 オススメ楽曲です!

おすすめ楽曲③
Break Bread
<I-20 feat. Bone Crusher & Ludacris>

要チェック!
楽曲No.6
「Break Bread」

 ダーティサウスの象徴ともいえる重量級のビートと、ハスラー感全開のメロディーラインに「Ludacris」が客演として参加。

 ラップもメロディーもビートも全て太め、聞き応え抜群でオススメです!

おすすめ楽曲④
Down South
<I-20>

 こちらの楽曲もサウスの王道と言っても過言ではない仕上がり。

 非常に重量感あるトラックに「I-20」のスキルフルなラップが炸裂!おすすめの楽曲です。

番外編(I-20客演)
I Like That
<Houston feat. Chingy, I-20 & Nate Dogg>

 楽曲のリリースは「I-20」ではないのですが、客演としてラップを披露した「I-20」のフロウが超絶かっこ良かったのでご紹介です。

 パート自体は短いんですが、その短いパートの中でも非常にかっこいいラップを披露しています!

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Chingy
(チンギー)

 ニヒルで甘いルックス、ビジュアルには人一倍気遣いを感じられるファッションセンス、そして女の子を口説くような軽い語り口のラップスタイル、2000年代のサウスサイド・ヒップホップ若手代表と言っても過言ではないアーティスト「Chingy(チンギー)」

 アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイス生まれのChingyのキャリアは10代から。

 2002年に「Nelly」オープニング・アクトを務めていた時、前文で紹介した「Ludacris」に認められ彼のレーベル「Disturbing Tha Peace」とサインするに至ります。

 2003年にはデビューアルバム「JACKPOT」 をリリースし、ファーストシングル「Right Thurr」 が全米2位を記録する快挙を成し遂げます。

 続く 「holiday inn 」 も全米3位、「One Call Away 」 が全米2位となり、一躍シーンを席巻する大活躍ぶり。

 アルバムは300万枚を超える大ヒットとなります。

 軽いラップスタイルとは裏腹に、ライムやフロウ、そしてリリックの言葉選びは非常に繊細で、ヒップホップサウスらしさも残しつつ、新しいヒップホップの形すら感じさせてくれます。

 そんな彼のおすすめアルバムとおすすめ楽曲をご紹介いたします。

おすすめのアルバム
Jackpot
<Chingy>

 Chingyのオススメアルバムはこちら「Jackpot」。

 デビューアルバムであることから、1曲の勢いと完成度が非常に高い。

 名曲もガッチリ収録されていて、Chingyを初めて聞く人にお勧めしたいアルバムです。

おすすめ楽曲①
One Call Away
<Chingy feat. J/Weav>

要チェック!
楽曲No.9
「One Call Away」

 ダーティサウスのサウンドと、ゆったりとしたR&Bが合体したかの様なトラックがオススメポイント。

 そして何よりコミカル&リズミカルなChingyのラップが非常に魅力的でオススメです。

 聴きやすさも評価したいポイントの一つ。

おすすめ楽曲②
Fly Like Me
<Chingy feat. Amerie>

要チェック!
楽曲No.4
「Fly Like Me」

 爽快感を感じさせるチルアウトなトラックに、客演としてR&B界の新生「Amerie」が参加。

 Chingyの癖が強いラップ部分を「Amerie」の力強いコーラスにより、見事に融合させ歌われている。

 聴きやすい1曲でオススメです。

おすすめ楽曲③
Right Thurr (Remix)
<Chingy feat.Jermaine Dupri & Trina>

要チェック!
楽曲No.17
「Right Thurr (Remix)」

  Chingyの大ヒットソング「Right Thurr」のRemixバージョン。

 客演にはサウス界の帝王「Jermaine Dupri」と、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミ出身の女性ラッパー「Trina」がタックを組んだ内容となり、超豪華な1曲へ進化を遂げています。

おすすめ楽曲④
How We Feel
<Chingy & Anthony Hamilton>

要チェック!
楽曲No.12
「How We Feel」

 ゆったりとしたビートに爽快感がある緩めのメロディーラインがオススメポイント。

 変則的でありながらコミカルにラップする部分とは対照的に、「Anthony Hamilton」の安定感あるコーラスが曲の完成度を大きく上げている。

おすすめ楽曲⑤
Pullin’ Me Back
<Chingy feat. Tyrese>

要チェック!
楽曲No.8
「Pullin’ Me Back」

 爽やかで甘酸っぱい仕上がりのトラックに、R&B界の貴公子「Tyrese」を客演に迎えた楽曲。

 ゆったりしつつ爽快感すら感じさせてくれるこの楽曲は、完成度が非常に高くて聴きやすく、非常にオススメです!

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SOUTH SIDE COLLECTION
「最高峰のアーティストたち」
のまとめ

 いかがでしたか?今回ご紹介したアーティストは、サウスサイド・ヒップホップの黄金期を支え、名実共に最高峰とも言える実力を兼ね備えたアーティスト「Ludacris」「I-20」「Chingy」の3人をご紹介いたしました!気に入ったアーティストや楽曲は見つかりましたでしょうか?

 次回もアメリカ南部エリアのアーティストを中心に、アーティストの特徴や来歴に触れつつ、オススメアルバムやオススメ楽曲をそれぞれご紹介したいと思います。こうご期待ください!

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この記事を書いた人
<この記事を書いた人は?>
NIGHT20GHOST

1990年代にhiphop.R&Bに出会い間もなく30年!都内有数のclubやダンスホールを渡り歩き、今まで出会った楽曲は数万曲以上!皆さんにおすすめしたいhiphop.R&Bの楽曲やアーティストをご紹介しています。初めてHip-Hop・R&Bを聴く人にも分かりやすい様に、アーティストの特徴やおすすめ楽曲を解説付きでご紹介!Hip-hop・R&Bが黄金期を迎えた1990年〜2010年付近の楽曲を中心にピックアップ!

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