初めてヒップホップを聴く方へのわかりやすい解説を目指していますが、専門用語を含む表現が所々あります。
聞きなれない表現もあるかと思いますので大まかな専門用語をまとめてみました。以下参考にしてみてください。
【メロディー/メロディーライン】
=曲を聴いたときに単一の実体として聴こえる音の線形を指します。
【ビート/ベースライン】
=「生ドラム」や「ドラムマシン」などを用いた重低音により、演奏するリズムまたはパターンを指します。
【トラック】
=ビートとメロディーを合体させた音の総称を指します。
【リリック】
=ラップ部分の歌詞を指します。
【ライム】
=似たような響きをもつ言葉を同じリズムで発することを指します。
【フロウ】
=声の高さや強弱・速度に変化をつけ、曲を印象付ける歌いまわしのことを指します。
【スラング】
=ヒップホップ専門の造語や、仲間内にだけ通じる暗号のような言葉を指します。
【メロー】
=ゆったり落ち着いたスローテンポな曲調で、繊細さを感じる曲調を指します。
【フリースタイル】
=その場で即座に歌詞をつけてラップを行うスタイルを指します。
【G-FUNK(ジー・ファンク)】
=ギャングスタ・ファンクの略。落ち着いた雰囲気のトラックにハードなラップを合わせたものを指します。
Dorrough
(ドロー)
アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身のSouth Sideを代表するラッパー「Dorrough(ドロー)」。
ヘビー級の重低音を元に、ややキーの高い軽めの歌い口でラップするのが彼の特徴です。
彼のキャリアは10代後半より始まります。
地元の高校でバスケットボールにのめり込み、キャプテンを務めるほど。ヒップホップとは疎遠な印象を受けますが、ラッパーの友人のために作曲したりミックステープを製作したりしてキャリアをスタートさせます。
自作のミックステープをバスケの試合時に配るなどして、徐々に注目を集めてきた「Dorrough」。
作曲を行う傍ら自身もラッパーとしてデビューし、1stシングル「walk that walk」はHot R&B/Hip-Hop Songsチャートで28位を獲得するなど好調なデビューを飾ります。
「ヒップホップ・サウス」を十分に感じられる「Dorrough」のオススメ楽曲をご紹介いたします。
おすすめのアルバム
Dorrough Music
<Dorrough>
「Dorrough」のオススメアルバムはこちら「Dorrough Music」。
響き渡るヘビー級の重低音が多く使われ、メロディーラインもサウス独特の雰囲気が漂う音源が多く使われています。
サウスを代表すると言っても過言ではないほどの仕上がりで、おすすめのアルバムです!
おすすめ楽曲①
Ice Cream Paint Job
<Dorrough>
要チェック!
楽曲No.2
「Ice Cream Paint Job」
ゆったりとしたテンポにバウンス感あふれるヘビービートがクセになる1曲。
メロディーラインもシンプルでいてビートを強調する仕上がりで、ヒップホップ初心者の方でもノリの良いテンポがクセになるおすすめの曲です!
おすすめ楽曲②
Walk That Walk
<Dorrough>
要チェック!
楽曲No.10
「Walk That Walk」
「Dorrough」のデビューシングルであり、Southの音楽性を明確に表現した一曲。
急がないピッチにバウンス感あるメロディーライン、そして太くて深いビートがヒップホップ・サウスの大きな魅力です!
おすすめ楽曲③
Wired to the T
<Dorrough>
要チェック!
楽曲No.11
「Wired to the T」
ゆったりしたテンポでアップ感満点のメロディーライン、そしてあがるラップを披露する「Dorrough」渾身の一曲。
派手な語り口も魅力的で、盛り上がるのに不足しないパワフルなナンバーとも言えます。こちらもおすすめです!
おすすめ楽曲④
Breakfast In Bed
<Dorrough feat. Ray J>
要チェック!
楽曲No.9
「Breakfast In Bed」
爽快さを感じさせるメロディーに、R&Bミュージックの新星「Ray J」を客演に迎えたナンバー。
さっぱり聞けるイメージがありますが、ヒップホップ・サウス特有の太くて重厚感あるバウンスビートは健在。
上がるパーティーチューンとして盛り上がること間違いなし!
おすすめ楽曲⑤
Ice Cream Paint Job (Remix)
<Dorrough feat. Soulja Boy, Jermaine Dupri, Jim Jones, Slim Thug, E-40, Rich Boy>
こちらは冒頭に紹介したリミックス版。
若干ですが原曲よりもBPM(曲の速さ)が早く設定してあり、微妙にスピードを上げています(殆ど大差無いように感じますが、、、)。
トラックの完成度もポイントですが、注目すべきは客演の豪華さ!若手からベテランまで超豪華な客演を迎えて仕上げられたおすすめナンバーです!
Hurricane Chris
(ハリケーン・クリス)
「A Bay Bay(エ・ベイベイ)」と言う脳裏に残る強烈なスラングを引っさげ、彗星の如くシーンに登場したヒップホップサウスの代表格の一人「Hurricane Chris(ハリケーン・クリス)」。
「Hurricane Chris」はアメリカ合衆国ルイジアナ州出身であり、彼のラップキャリアはなんと8歳の頃からと言うから驚きです。
幼い頃に両親が離婚し、貧しく心細い幼少時代を過ごした彼は、高校へ進学するもドロップアウトしラッパーへの本格的な道のりを歩みます。
「Hurricane Chris」と言うMC名は、彼がラップし終わるとバトル相手が黙り込んでしまい、まさに「嵐の後の静けさ」状態だったからハリケーン・クリスに決まったのだと言われていますが、ラップスキルはなかなかのもの。
キーが高く軽い口調でラップする「Hurricane Chris」のオススメ楽曲とおすすめのアルバムをご紹介いたします。
おすすめのアルバム
51/50 Ratchet
<Hurricane Chris>
「Hurricane Chris」のおすすめはこちら「51/50 Ratchet」。
デビューシングルでありヒップホップ・サウスで一躍話題になった曲「A Bay Bay (MAIN)」が収録されているほか、他の楽曲もサウス感を感じられる重厚な楽曲が勢揃い!オススメです!
おすすめ楽曲①
A Bay Bay (MAIN)
<Hurricane Chris>
要チェック!
楽曲No.2
「A Bay Bay (MAIN)」
「Hurricane Chris」のアーティスト紹介にてお話ししたスラング「A Bay Bay(エ・ベイベイ) 」で、一躍スターダムに押し上げたヒット曲「A Bay Bay」。
緩めのピッチに終始バウンスビートを取り込み、軽い歌い口でコミカルにラップしているおすすめの一曲です!
おすすめ楽曲②
Halle Berry (She’s Fine)
<Hurricane Chris feat. Superstarr>
要チェック!
楽曲No.3
「Halle Berry (She’s Fine)」
スタートから重厚感あるハイバウンスビートにゆったりなピッチ、そして曲にシンプルな印象を持たすシンセサイザーによるメロディーラインが特徴の楽曲。
ヒップホップ・サウスのど真ん中をゆくパワフルな楽曲でオススメです!
おすすめ楽曲③
Secret Lover
<Hurricane Chris feat. Cherish>
要チェック!
楽曲No.8
「Secret Lover」
ヒップホップにもチルサウンドは存在する、、、それを証明してくれる楽曲「Secret Lover」。
ゆったりながらもリズム打ちを細かくしてピッチを早め、「Cherish」のコーラスにて落ち着きを取り入れたトラックとなっておりオススメです!
おすすめ楽曲④
On the Road
<Hurricane Chris>
要チェック!
楽曲No.4
「On the Road」
近年のヒップホップの様なビートとメロディーラインが特徴の1曲。
ビートは変則的なリズム打ちにメロディーラインはシンプルに抑えています。
現在流行ってるヒップホップはサウスを主流とした楽曲が多いですが、この曲は先駆者的な位置であると私は思います。
おすすめ楽曲⑤
A Bay Bay (The Ratchet Remix)
<Hurricane Chris feat. The Game, Boosie Badazz, Birdman, E-40, Angie Loc & Jadakiss>
要チェック!
楽曲No.14
「A Bay Bay (The Ratchet Remix)」
ご紹介した楽曲のリミックス版ですが、客演が超豪華すぎて草!
ベテラン・若手の序列関係なしにラップされていて、それぞれの個性を全開に出しているところがこの曲1番の魅力。
私個人的にはトップバッターの「The Game」のギャングスタラップが、悪さ全開すぎてどハマりしています!
Yung Joc
(ヤング・ジョック)
ヒップホップサウスの番長とも呼べる堂々としたフロウ、地に足がついた太い声によるヘビーラップ、そして重低音によろサウス独特のトラックを見事に操り、テクニカルなラップを披露する「Yung Joc(ヤング・ジョック)」。
アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ出身の彼は、東海岸ヒップホップの要「バットボーイエンターテイメント」のサウス部門「バッドボーイ・サウス」とジョイントベンチャーを展開し、アトランタの一大ヒップホップ・レーベル「ブロック・エンターテイメント」を代表する期待の若手MCです。
若い頃から自身でビジネスを営むという事を肌で学んでいた「Yung Joc」は、同じくアトランタ出身でストリートで活躍するアーティスト「T.I」の出現に大きな衝撃を受けラッパーになることを決意し、ストリートを中心にキャリアを積んできます。
サウスの番長とも言える血気盛んな「Yung Joc」のオススメアルバムとオススメ楽曲をそれぞれご紹介いたします。
おすすめのアルバム
Hustlenomics
<Yung Joc>
太くて強い声でラップする「Yung Joc」のオススメアルバムはこれ1択。
ヒップホップ・サウスを感じさせる重厚な楽曲が多く収録されている傍ら、ゆったりとしたチルアウトソングも収録されており、初めて「Yung Joc」を聞く人にオススメしたいアルバムです。
おすすめ楽曲①
It’s Goin’ Down
<Yung Joc feat. Nitti>
要チェック!
楽曲No.2
「It’s Goin’ Down」
全米でメガヒットを記録し、日本国内のクラブやラジオでもヘビーローテーションされた1曲。
ノリのいいピッチに超重厚感あるビート、そしてヒップホップサウス特有のシンセサイザーを使用したメロディーラインを構成し、ノリノリのクールなナンバー。オススメです!
おすすめ楽曲②
Flip Flop
<Yung Joc feat. Boyz N Da Hood & Cheri Dennis>
要チェック!
楽曲No.9
「Flip Flop」
ゆったりとしたテンポに変則的なビートをあしらい、シンプルなメロディーとコーラスを合わせ、チルアウトサウンドを引き立てた楽曲。
「Yung Joc」がリリースした楽曲の中でもかなりゆったりとした楽曲で、サウスの雰囲気を残しながらゆったりラップするのがオススメポイントです!
おすすめ楽曲③
Bottle Poppin’
<Yung Joc feat. Gorilla Zoe>
要チェック!
楽曲No.4
「Bottle Poppin’」
ダーティサウス・ヒップホップを象徴するかの様なヘビーコーラス、そして極太ビートを用いたヒップホップ・サウスを感じやすい楽曲。
急かさずゆったり堂々とラップするところもサウスの特徴であり、100点満点の仕上がりです!
おすすめ楽曲④
Living the Life
<Yung Joc feat. Southerngirl>
要チェック!
楽曲No.13
「Living the Life」
落ち着いたコーラスに雰囲気をリラックスさせるメロディーライン、そして変則的でありながら肉厚なビートがクセになる1曲。
東海岸ヒップホップの雰囲気すら感じさせますが、「Yung Joc」のフロウはサウスのど真ん中をゆく様なスタイルで聞き応え抜群、オススメです!
おすすめ楽曲⑤
Momma
<Yung Joc feat. Jazze Pha>
要チェック!
楽曲No.14
「Momma」
ヒップホップ・サウスの番長はチルアウトミュージックもお手の物。
サウス独特のライムやスラングを残しつつ、ゆったりとしたキレイめトラックにラップした1曲。
トラックのゆったりさに押され、ラップがしつこくなくスラスラと聴きやすいオススメ楽曲です!
SOUTH SIDE COLLECTION
「ダーティサウス・ヒップホップ」
のまとめ

いかがでしたか?今回ご紹介したアーティストは「ヒップホップ・サウス」の名を一躍有名にした立役者「Dorrough」「Hurricane Chris」「Yung Joc」の3人をご紹介いたしました。
気になるアーティストや楽曲は見つかりましたでしょうか?
ヒップホップ・サウスは、2020年代で流行しているヒップホップの原型でもあると私は感じています。好みが分かれるかもしれませんが、ノリがよく聴きやすい楽曲も多くなってきました。今後もご紹介したい楽曲がありましたらどんどんご紹介していきます!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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