2.イーストサイド コレクション

【オシャレなヒップホップ】ヒップホップを純粋に楽しむ新しいスタイル「EAST SIDE COLLECTION・オルタナティブアーティストver.2」

2.イーストサイド コレクション

 1970年代、ニューヨークのブロンクス地区で開かれたブロックパーティーにルーツのある「音楽・ダンス・ファッション」を中心とする黒人文化として始まった「ヒップホップ」。時代を重ねるごとに多くのアーティスト達に磨かれ、今でも多くの人々に愛され続けています。

 年代を重ねるごとにサブジャンルや新たなスタイルが芽生え、アーティストやリスナーの間で洗練され、一概に「ヒップホップ」と言えど多種多様なスタイルを確立したことにより、一言では言い表せない大きな音楽ジャンルとなっています。

 さて今回ご紹介するのは前回ご紹介した記事のバージョン2です。「暴力・金・女」というイメージを払拭し、ヒップホップを音楽として単純に楽しむものに作り替え、新たな可能性を示したアーティスト「Big L・Craig Mack・Naughty By Nature」の3人をご紹介いたします。

 初めて「ヒップホップ」聞く方にも分かりやすいように、おススメのアルバムとおすすめの楽曲を厳選してご紹介いたします。気になるアーティストや楽曲が見つかりましたら是非チェックしてみてください。

 初めてヒップホップを聴く方へのわかりやすい解説を目指していますが、専門用語を含む表現が所々あります。
 聞きなれない表現もあるかと思いますので大まかな専門用語をまとめてみました。以下参考にしてみてください。

【メロディー/メロディーライン】

=曲を聴いたときに単一の実体として聴こえる音の線形を指します。
【ビート/ベースライン】
=「生ドラム」や「ドラムマシン」などを用いた重低音により、演奏するリズムまたはパターンを指します。
【トラック】
=ビートとメロディーを合体させた音の総称を指します。
【リリック】
=ラップ部分の歌詞を指します。
【ライム】
=似たような響きをもつ言葉を同じリズムで発することを指します。
【フロウ】
=声の高さや強弱・速度に変化をつけ、曲を印象付ける歌いまわしのことを指します。
【スラング】
=ヒップホップ専門の造語や、仲間内にだけ通じる暗号のような言葉を指します。
【メロー】
=ゆったり落ち着いたスローテンポな曲調で、繊細さを感じる曲調を指します。
【フリースタイル】
=その場で即座に歌詞をつけてラップを行うスタイルを指します。
【G-FUNK(ジー・ファンク)
=ギャングスタ・ファンクの略。落ち着いた雰囲気のトラックにハードなラップを合わせたもの
を指します。

Big L
(ビッグエル)

 キレのあるラップとホラーコアをテーマにしたライムを引っ提げ、アンダーグラウンドのストリートにてフリースタイルスキルを磨いてシーンに名を刻み、見事レコード会社との契約を掴み取った経歴を持つ「Big L(ビッグエル)」

 アメリカ合衆国ニューヨーク州のハーレム出身の「Big L」は、当時ニューヨークで結成されたヒップホップ グループ「D.I.T.C.(Diggin’ In The Crates)」のメンバー「Lord Hinesse」に披露したフリースタイルが認められ、「D.I.T.C.」の加入したのちにコロンビアレコードと契約するに至ります。

 彼のラップスタイルの大きな特徴と言えるのが「ホラーコア」。ホラーをテーマにした暗くて叙情的な内容が特徴で、超自然的なものやオカルト的なものを歌詞に取り入れています。トラックも暗いところがあったり不安を煽る様なメロディーラインが取り込まれていたりなど、面白いトラック使いが魅力的。

 超個性的で圧倒するラップスキルを武器にライムを披露する「Big L」のオススメ楽曲をご紹介いたします。

おすすめのアルバム
The Big Picture
<Big L>

 「Big L」のおすすめアルバムはこちら「The Big Picture」。紹介文に「暗めのトラックと不安を煽るメロディーラインがよく使われる」とありますが、このアルバムはまるで正反対のアップナンバーが多い作品となっています。東海岸ヒップホップを楽しみたい方にはおすすめのアルバムです!

おすすめ楽曲①
Put It On
<Big L>

 「Big L」がリリースした楽曲の中ではややアップテンポなナンバー。シンプルで太めのビートと軽快なリズム打ち、そしてキレのあるラップでしっかり仕上げられています。リリックもややマイルドなライムが中心、聴きやすくてオススメです!

おすすめ楽曲②
Fed up wit the Bullshit
<Big L>

 ベースラインは「The Notoirou B.I.G.」の「Big Poppa」をサンプリングし、メロディーラインでダウン&バウンスを取り入れ、ホラーコアラップ全開により見事自分の楽曲として歌い上げている1曲。「Big L」の楽曲は掴みどころがなくてクセになります本当、、、。

おすすめ楽曲③
Deadly Combination
<Big L feat. 2Pac>

 リズミカルな太いベースラインにシンプルなメロディーをあしらい、客演に2Pacを迎えて制作された楽曲。2Pacの太くて重厚感のあるラップと、「Big L」の軽快で身軽なステップを踏む様なラップが見事にマッチ、おすすめです!

おすすめ楽曲④
The Triboro
<Big L feat. Fat Joe, O.C. & Remy Ma>

 メロディーラインでほどよい緊張感を与え、太いビートでピッチをリードするトラックに「Fat Joe」「 O.C.」「Remy Ma」の客演を迎え制作された一曲。リズミカルにラップを繋ぎ、曲の雰囲気を壊さずクールに歌い上げられているのがたまらなく良いですね!

おすすめ楽曲⑤
Cluemanati
<Big L feat. Herb McGruff>

 非常にシンプルなトラック、、、と言いますか、ほとんどビートの引き出す音のみで組まれたトラックにラップした一曲。余計なメロディーラインに頼らず、ビジュアルパフォーマンスよりもラップスキルで勝負している曲ともいえます。シンプルでいておすすめ!

Craig Mack
(クレイグマック)

 東海岸ヒップホップカルチャーの中心的な存在であり、90年代の音楽シーンを塗り替えたレーベル「Badboy Records」にて活躍し、「The Notoirou B.I.G.」と並ぶ実力を兼ね備えた看板ラッパー「Craig Mack(クレイグ・マック)」

 ヒップホップソウルを感じさせてくれる様な「R&B」にほど近い甘めのトラックを中心に、太くて語り口の軽いラップを披露する「Craig Mack」は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ブロングスにてキャリアをスタートさせます。

 「Craig Mack」の楽曲で最も知られているのは、1994年にリリースされた「Flava In Ya Ear」という曲であり、この楽曲は当時全米にてスマッシュヒットを叩き出し、1995年のグラミー賞のノミネートも果たしているほど。

 その後「The Notorious B.I.G.」や「LL Cool J」「Busta Rhymes」といった大御所ラッパーたちがこぞって客演に参加したリミックスは、今でもベストマイクリレーの1つとして語り継がれているほどです。

 しかし「Craig Mack」のオススメ楽曲は「Flava In Ya Ear」だけではありませんよ!他のもオススメしたい楽曲はたくさんあります。特にお勧めしたい楽曲を厳選してご紹介いたします!

おすすめのアルバム
Operation:Get Down
<Craig Mack>

 まるで男性R&Bアーティストのアルバムを聴いている様な甘いトラックが多く使われ、ヒップホップにR&B要素(ゆったりしたトラックやコーラスパートなど)を取り入れた「ヒップホップソウル」を十分に感じることのできるアルバム「Operation:Get Down」。ヒップホップ初めましての方や、ヒップホップソウルが好きな方におすすめの内容です!

おすすめ楽曲①
Can You Still Love Me
<Craig Mack>

 ヒップホップソウルを見事に表現したクールな1曲。R&Bに使用される様な洗練された落ち着きのあるトラック、曲を引き立たせる女性コーラスパート、そして「Craig Mack」の太くて低めの声によるラップにより、ヒップホップの新たなジャンルに一石を投じた名曲ともいえます。

おすすめ楽曲②
Jockin’ My Style
<Craig Mack>

 ヒップホップを感じさせるリズミカルで極太のビートをベースに、R&Bを感じさせるゆったりして落ち着きのあるメロディーラインを乗せ、5:5の割合で絶妙にバランスの取れたトラックを使用した一曲。「Craig Mack」のコミカルで太いラップが見事にマッチ、かっこいいおすすめ楽曲です!

おすすめ楽曲③
Sit Back & Relax
<Craig Mack>

 凄まじくリラックスできる超甘いスロージャムに、「Craig Mack」の軽い語り口でラップを披露した一曲。ここまでの極上トラックに自由奔放なラップを載せることのできるのは「Craig Mack」だけでしょう。斬新すぎるおすすめ楽曲です!

おすすめ楽曲④
Mack Come Thru
<Craig Mack>

 太くて軽快なビートとリズム打ち、そしてビートを引き立たせるメロディーラインにコミカルにラップを載せた一曲。ヒップホップソウルを感じる楽曲が多い印象の「Craig Mack」ですが、この曲はガッチリヒップホップを感じられる仕上がりとなっています。

おすすめ楽曲⑤
Flava In Ya Ear (Remix)
<Craig Mack feat. The Notorious B.I.G., LL Cool J, Busta Rhymes & Rampage>

 「ベストマイクリレーの1つ」として、冒頭に紹介した超完成度の高い豪華な一曲。ドラム音を前面に押し出したゆったりビートに、肩の力を抜いてくれる様な緩いメロディーライン、完成度が高いトラックに4人の強者ラッパーが客演!見事にラップを披露しています。

Naughty By Nature
(ノーティーバイネイチャー)

 ジャクソン5の「ABC」をサンプリングした楽曲や、ボブ・マーリーの「No Women No Cry」をサンプリングした「Everything’s Gonna Be Alright」など、パーティーチューンのヒット曲を連発し、シーンに大きな印象を与えた「Naughty By Nature(ノーティーバイネイチャー)」

 アメリカ合衆国ニュージャージー州イーストオレンジ出身の「Naughty By Nature」は、MCの「Treach(トレッチ) &Vin Rock(ヴィニー)」とDJ「Kay Gee(ケイ・ジー)」による、3人組のユニットです。

 トラックメイカーである「Kay Gee」は、R&Bアーティストの曲をプロデュースしていることもあり、フロアを盛り上げ沸かせるような「踊れる」音づくりが大得意。一方、ハードコアラップでありながら軽いノリでラップを披露する2人のMCにより、さらに重厚感ある踊れるヒップホップが生み出されています。

 ゆったりとしたスローな曲やガンガン乗れる楽曲まで多彩に表現する「Naughty By Nature」のお勧め楽曲をご紹介いたします。

おすすめのアルバム
Nineteen Naughty Nine Nature’s Fury
<Naughty By Nature>

 「Naughty By Nature」のおすすめアルバムはめちゃくちゃ紹介したのがたくさんあるのですが、順位をつけるならこのアルバムが一番。アルバムに収録されている楽曲はヒップホップソウルを感じるものが多く、曲が少なくスラスラ聴けるところがおすすめポイント!

おすすめ楽曲①
Hip Hop Hooray
<Naughty By Nature>

 「Naughty By Nature」の代表的なアップナンバー。メロディーラインで煽る様にアップテンポにするのではなく、やや早めのピッチとリズミカルで軽いリズム打ち、そして太いビートをあしらいアップなライムングによるラップを披露し、曲全体を明るい印象に仕上げている。

おすすめ楽曲②
Feel Me Flow
<Naughty By Nature>

 スローテンポでありながら明るいメロディーラインに安定したビート、そして陽気なフロウでノリやすい楽曲。トラックの雰囲気を変えてしまわない様、アップテンポながら抑え気味でラップしているのがおすすめポイントです!

おすすめ楽曲③
Would’ve Done the Same for Me
<Naughty By Nature feat. Koffee Brown>

 「Warren G」がリリースした名曲「I Want It All」と同時期にリリースされ話題を呼んだ名曲。トラックはヒップホップソウルを感じる十分な仕上がりで、曲のテンポをしっかり抑えコーラスを添えつつユーモラスなライムを用いてラップしています。

おすすめ楽曲④
We Could Do It
<Naughty By Nature feat. Big Punisher>

 東海岸のヒップホップらしい「シンプル&リズミカル」な安定しているビートに「Big Punisher」を客演に迎えて制作された楽曲。全員かなりのギャングスタラップ を披露していますが、シンプルで流れる様なリズムのトラックが言葉の角を取り、曲の完成度を押し上げています。

おすすめ楽曲⑤
Jamboree
<Naughty By Nature feat. Zhané>

 ノリがよく踊れる楽曲を多くリリースする「Naughty By Nature」の中で1.2を争うほどのアップテンポなナンバー。夏の昼下がりを連想させる様なメロディーラインに、ややスローテンポで太めのビートに乗せつつ、コミカルで陽気なラップを披露しています。おすすめですよ!

EAST SIDE COLLECTION
「オルタナティブアーティストver2」
のまとめ

 いかがでしたか?今回ご紹介したのは、「暴力・金・女」というイメージを払拭し、ヒップホップを音楽として単純に楽しむものに作り替え、新たな可能性を示したアーティスト「Big L・Craig Mack・Naughty By Nature」の3人をご紹介いたしました。気になった楽曲はありましたか?

 次回もニューヨーク出身のアーティストで、特に個性の強いアーティストをそれぞれご紹介したいと思います。こうご期待!

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