1970年代、ニューヨークのブロンクス地区で開かれたブロックパーティーにルーツのある「音楽・ダンス・ファッション」を中心とする黒人文化として始まった「ヒップホップ」。
時代を重ねるごとに多くのアーティスト達に磨かれ、今でも多くの人々に愛され続けています。
年代を重ねるごとにサブジャンルや新たなスタイルが芽生え、アーティストやリスナーの間で洗練され、一概に「ヒップホップ」と言えど多種多様なスタイルを確立したことにより、一言では言い表せない大きな音楽ジャンルとなっています。
さて今回ご紹介するのは、「ジャズ・ラップ」や「オルタナティブ・ラップ」など、古くから伝わるスタイルを継承せず全く新しいヒップホップの形を切り開いた功労者「Erick Sermon」「A Tribe Called Quest」「De La Soul」をご紹介いたします。
初めて「ヒップホップ」聞く方にも分かりやすいように、おススメのアルバムとおすすめの楽曲を厳選してご紹介いたします。
気になるアーティストや楽曲が見つかりましたら是非チェックしてみてください。
初めてヒップホップを聴く方へのわかりやすい解説を目指していますが、専門用語を含む表現が所々あります。
聞きなれない表現もあるかと思いますので大まかな専門用語をまとめてみました。以下参考にしてみてください。
【メロディー/メロディーライン】
=曲を聴いたときに単一の実体として聴こえる音の線形を指します。
【ビート/ベースライン】
=「生ドラム」や「ドラムマシン」などを用いた重低音により、演奏するリズムまたはパターンを指します。
【トラック】
=ビートとメロディーを合体させた音の総称を指します。
【リリック】
=ラップ部分の歌詞を指します。
【ライム】
=似たような響きをもつ言葉を同じリズムで発することを指します。
【フロウ】
=声の高さや強弱・速度に変化をつけ、曲を印象付ける歌いまわしのことを指します。
【スラング】
=ヒップホップ専門の造語や、仲間内にだけ通じる暗号のような言葉を指します。
【メロー】
=ゆったり落ち着いたスローテンポな曲調で、繊細さを感じる曲調を指します。
【フリースタイル】
=その場で即座に歌詞をつけてラップを行うスタイルを指します。
【G-FUNK(ジー・ファンク)】
=ギャングスタ・ファンクの略。落ち着いた雰囲気のトラックにハードなラップを合わせたものを指します。
Erick Sermon
(エリックサーモン)
まるで本の読み聞かせをしている様な流暢で軽い歌い口と、ジャズやソウル・ファンクやロックなどの音源を多彩に取り入れ、ヒップホップクラシックの築き上げた曲調に大きな変化をもたらした「Erick Sermon(エリックサーモン)」。
アメリカ合衆国ニューヨーク州ベイショアにて誕生した彼は、「Parish smis」とともに「EPMD(Erick & Parish Making Dollars)」を結成しキャリアをスタートさせます。
1988年から1992年の間には、EPMDとして4枚のゴールドアルバム(50万枚以上のセールス)を発表、数々の楽曲を誕生させるに至ります。
EPMD解散後もソロとして活動を行い「No Pressure」「Double Or Nothing」というヒットアルバムを発表します。ソロアーティストとしてもプラチナ・アルバムを獲得するなど驚異的なセールスを叩き出した「Erick Sermon」。
さらにはプロデューサーとして「Redman」「Method Man」「En Vogue」「Run DMC」など、今ではモンスター級と称されるアーティスト手がけるなど、アーティスト・プロデューサーとして大きな成功を手にしています。
そんな「Erick Sermon」の代表的な楽曲をそれぞれご紹介いたします。
おすすめのアルバム
Def Squad Presents: Erick Onasis
<Erick Sermon>
東西の音楽性は関係なし、実力派で知られる「Erick Sermon」の元に超豪華な客演が大集結した「超オススメしたい」アルバムです。
どちらかと言うと西海岸アーティストが多く集結していて内容に重厚感がありオススメです!
おすすめ楽曲①
Feel It
<Erick Sermon feat. Sean Paul & Sy Scott>
ヒップホップのお手本とも言える様なややゆっくりなピッチに、太めのビートとシンプルなメロディーライン、そして適度にスクラッチの効果音を取り入れるなど、超完成度の高いトラックをあしらった曲。
ラップは申し分なし!超オススメです!
おすすめ楽曲②
React
<Erick Sermon>
要チェック!
楽曲No.5
「React」
ヒップホップらしいコミカルなメロディーラインと、変則的なビートをあしらった楽曲。
西海岸アーティストの「213」も「Erick Sermon」のこのトラックをそのままサンプリングにして使用するほど。
おすすめ楽曲③
Genius e Dub
<Erick Sermon feat. Olivia>
要チェック!
楽曲No.8
「Genius e Dub」
「Mariah Carey」の「Fantasy」をサンプリングし、「Erick Sermon」のラップにより重厚感あるヒップホップサウンドに仕上げた一曲。
コーラスには「Olivia」を迎え、セクシーさをプラス。聴きやすくてオススメです!
おすすめ楽曲④
So Sweet
<Erick Sermon feat. Eazy-E>
要チェック!
楽曲No.8
「So Sweet」
悪そうな重厚感あるビートに、ギャングスタサウンドを彷彿とさせるメロディーライン、そして西海岸のゴットファーザー「Eazy-E」を客演に迎えた楽曲。
「Erick Sermon」もなかなかキレのあるギャングスタラップを披露しています。
おすすめ楽曲⑤
Can’t Stop
<Erick Sermon feat. Dave Hollister & Peter Moore>
要チェック!
楽曲No.11
「Can’t Stop」
シンプルで重厚感あるビートに、ナイトシーンに合うメロディーラインをあしらった楽曲。
ヒップホップらしい安定したビートが心地よく、さらに「Dave Hollister & Peter Moore」のコーラスが曲の完成度を後押し。オススメです!
A Tribe Called Quest
(ア・トライブコールドクエスト)
MCの3人「Q-Tip(Qティップ)・Phife Dawg(ファイフ・ドーグ)・Jarobi White(ジェロビ・ホワイト)とDJの「Ali Shaheed Muhammad(アリ・シャヒード・ムハマド)」の4人で結成されたヒップホップグループ「A Tribe Called Quest(ア・トライブコールドクエスト)」。
アメリカ合衆国ニューヨーク州クイーンズにて結成されたこのグループは、ジャズのサウンドを中心としたサンプリングにより曲を仕上げ、80年代の主流であった「金・銃」などのギャングスタライフなヒップホップ感をなくし、今までのヒップホップに新たな風を吹き込んだ重要なグループと言える存在です。
1990年に発表したデビュー・アルバム「People’s Instinctive Travels and the Paths of Rhythm」がヒップホップの専門誌「The Source」で満点の評価を獲得し、ジャズを中心に「soul・funk・rock」など多様なジャンルの音楽をサンプリングし、グルーヴサウンドと遊び心が溢れた内容の歌詞で「ニュー・スクール」と呼ばれる新たなムーヴメントを牽引した立役者でもあります。
グルーヴサウンドを生み出したアーティストとしても名高い「A Tribe Called Quest」のオススメ楽曲をご紹介いたします。
おすすめのアルバム
Beats, Rhymes & Life
<A Tribe Called Quest>
「A Tribe Called Quest」のオススメアルバムはこちら「Beats, Rhymes & Life」。
重厚感あるビート、深みのあるメロディーライン、曲調を壊さないフロウとライム、大人のヒップホップとも言える内容です。
全曲共通でトラックの完成度が高くてオススメです!
おすすめ楽曲①
Award Tour
<A Tribe Called Quest>
要チェック!
楽曲No.3
「Award Tour」
曲調にやや古さを感じてしまうかもしれないが、重量感あるビートとシンプルなメロディーラインのお手本とも言える様な完璧で完成度の高いトラック。
ジャジーヒップホップ製作者はこの曲を見習うべき。オススメです!
おすすめ楽曲②
Keep It Rollin’
<A Tribe Called Quest>
要チェック!
楽曲No.11
「IKeep It Rollin’」
ゆったりとしたリズムに太くて強いリズム打ち、そしてソウルフルなライムをあしらった楽曲。
トラックは至ってシンプルなのに深みがあり、スロージャズ様な雰囲気を感じることもできてオススメです!
おすすめ楽曲③
Stressed Out
<A Tribe Called Quest feat. Faith Evans[LP Version]>
要チェック!
楽曲No.15
「Stressed Out」
「A Tribe Called Quest」の名曲の一つ「Stressed Out」。
客演に「Faith Evans」を迎え、ジャズとソウルミュージックを融合させた新しい音源が一躍話題となり、ヒップホップの本場アメリカにて大ヒットとなります。
オススメですよ!
おすすめ楽曲④
Check the Rhime
<A Tribe Called Quest>
要チェック!
楽曲No.9
「Check the Rhime」
非常に乗りの良いビートに重厚感あるメロディーライン、そしてラップスキルの高さを披露する3MCのマイクリレーがクセになる一曲。
こちらの曲もジャズとブルースを融合させたかの様なトラックで、ストレスなく心地よく聞き入ることができます。
おすすめ楽曲⑤
Jazz (We’ve Got)
<A Tribe Called Quest>
要チェック!
楽曲No.11
「Jazz (We’ve Got)」
曲の題名にある様に、ジャズ感が非常に高いトラックを用いた一曲。
シンプルでありながらもドラム音を強調させ、曲の重厚感を緩和するかの様な仕上がりとなっています。
ギャングスタラップもいいですが、音楽好きが奏でる様なおしゃれでシンプルなラップもいいもんですね!
De La Soul
(デ・ラ・ソウル)
2人のMC「Pos(ポス) & Trugoy(テュルーゴイ)」とMC & DJ「Mase(メイス)」の3人から構成され、オーソドックスなオールドスクールの形を採りつつ、従来のヒップホップ的な枠組を軽く飛び越える斬新なサウンドメイクと、ユニークなラップスタイルで斬新なラップを披露するアーティスト「De La Soul (デ・ラ・ソウル)」。
アメリカ合衆国ニューヨーク州ロングアイランドにて結成された「De La Soul」は、結成以来長きにわたり「ジャズ・ラップ」や「オルタナティブ・ラップ」など、古くから伝わるスタイルを継承せず全く新しいヒップホップジャンルを切り開いた功労者です。
その時代にはなかった革新的なサンプリング方法を取り入れ、危ない雰囲気を漂わすギャングスタラップとは対照的で、陽気で愉快なラップと重厚感のあるトラックにより人気を集め、数々の名曲を世に放ってきました。
ヒップホップは「暴力・貧困・ギャングスタ」の対象ではなく、リズムに乗ってしっかり楽しむことを提唱してくれた「De La Soul」。
そんな彼らのオススメ楽曲をご紹介いたします。
おすすめのアルバム
The Grind Date
<De La Soul>
「De La Soul」を語るならまずはこのアルバムを聴いてください。
今までのヒップホップを一蹴し、「ラップ=楽しむ音楽」をしっかり証明してくれた名盤です。
全曲共通でラップが良い意味で軽く、リズム重視の仕上がりとなっています。
おすすめ楽曲①
Much More
<De La Soul feat. Yummy>
要チェック!
楽曲No.3
「Much More」
リズミカルで重量感あるビートと高揚感を静かに煽る様なメロディーライン、そしてユーモラスなライムをビートに乗せてラップする名曲。
「Yummy」のコーラスが曲にシャープ感を与え、ラップが非常に引き立って聞こえます。
おすすめ楽曲②
It’s Like That
<De La Soul feat. Carl Thomas>
要チェック!
楽曲No.7
「It’s Like That」
シンプルでありながら、ブルースとジャズを同時に感じられる様な安定したおしゃれトラックな一曲。
太くて安定感のあるコーラス部分もこの曲の魅力の一つ。
この曲本当にヒップホップ?と感じてしまうほどヒップホップ感を十分に抑えており、聴きやすくてオススメですよ!
おすすめ楽曲③
Pain
<De La Soul feat. Snoop Dogg>
要チェック!
楽曲No.3
「Pain」
ソウルフルなメロディーラインと太くてリズミカルなビート、ジャズ要素が強いトラックを用いたこの曲は、客演に西海岸のボス「Snoop Dogg」を迎え見事に仕上がっています。
ラップする事を楽しんでいるかの様なフロウが特徴で、ナイトシーンに合う様なトラックでありながら明るいラップが非常に良い!オススメです!
おすすめ楽曲④
Greyhounds
<De La Soul feat. Usher>
要チェック!
楽曲No.9
「Greyhounds」
ラグジュアリーでシンプルなビートに「Usher」を客演に迎えたニューサウンド。
ヒップホップ の垣根を超えまくった斬新な一曲ともいえます。
ヒップホップでありながらナイトシーンやベットタイムに十分マッチする仕上がりでかなりオススメ!
おすすめ楽曲⑤
Ring Ring Ring(Ha Ha Hey)
<De La Soul>
要チェック!
楽曲No.21
「Ring Ring Ring(Ha Ha Hey)」
「De La Soul」らしい斬新で重量感あるビートが特徴のトラックと、リズムを楽しみながらラップするスタイルが前面に出た一曲。
少し古さすら感じさせるトラックですが、本来の明るいリズミカルなラップスタイルが前面に押し出されていておすすめです!
EAST SIDE COLLECTION
「オルタナティブアーティスト」
のまとめ
いかがでしたか?
今回ご紹介したのは「ジャズ・ラップ」や「オルタナティブ・ラップ」など、古くから伝わるスタイルを継承せず、全く新しいヒップホップの形を切り開いた功労者「Erick Sermon」「A Tribe Called Quest」「De La Soul」のご紹介でした。
気に入った楽曲は見つかりましたでしょうか?
今回ご紹介した楽曲はほんの一部ですので、気になるアーティストがいたらぜひチェックしてみてください。
次回もニューヨーク中心のヒップホップアーティストをご紹介したいと思います。こうご期待!
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