数あるジャンルの中で根強い人気を誇る「HIPHOP」。
今では多くのスタイルが確立し、ヒップホップといえど年代やエリア毎に曲調が大きく異なるなど多岐にわたり、現在も進化を続けています。
数あるヒップホップスタイルの中で「西海岸ヒップホップ」というキーワードをご存知でしょうか?英語で表現するならば「WEST SIDE」や「WEST COAST」などの表現にあたります。
ゆったりとした聴きやすいトラックに、過激な歌詞でストリートの日常を表現したり、攻撃的なラップをかますスタイルが特徴である「WEST SIDE」。
後の「G-Funk」や「Chicano」を生み出した源流とも言えるスタイルであります。
今回はその「WEST SIDE」スタイルを確固たるものに確立させ、アメリカのヒップホップカルチャーに多大なる影響を与えた伝説級のアーティスト「N.W.A」とその代表的なメンバー「Dr Dre」「Ice Cube」「Eazy-E」をそれぞれご紹介いたします。
初めて聞く方でも分かりやすいように、曲やアルバムごとに解説を入れてありますので参考にしてみてください。
初めてヒップホップを聴く方へのわかりやすい解説を目指していますが、専門用語を含む表現が所々あります。
聞きなれない表現もあるかと思いますので大まかな専門用語をまとめてみました。以下参考にしてみてください。
【メロディー/メロディーライン】
=曲を聴いたときに単一の実体として聴こえる音の線形を指します。
【ビート/ベースライン】
=「生ドラム」や「ドラムマシン」などを用いた重低音により、演奏するリズムまたはパターンを指します。
【トラック】
=ビートとメロディーを合体させた音の総称を指します。
【リリック】
=ラップ部分の歌詞を指します。
【ライム】
=似たような響きをもつ言葉を同じリズムで発することを指します。
【フロウ】
=声の高さや強弱・速度に変化をつけ、曲を印象付ける歌いまわしのことを指します。
【スラング】
=ヒップホップ専門の造語や、仲間内にだけ通じる暗号のような言葉を指します。
【メロー】
=ゆったり落ち着いたスローテンポな曲調で、繊細さを感じる曲調を指します。
【フリースタイル】
=その場で即座に歌詞をつけてラップを行うスタイルを指します。
【G-FUNK(ジー・ファンク)】
=ギャングスタ・ファンクの略。落ち着いた雰囲気のトラックにハードなラップを合わせたものを指します。
N.W.A
(エヌ・ダブル・エー)
1986年にアメリカのカルフォルニア州コンプトンで結成され、アメリカ西海岸のヒップオップシーンにおいて「伝説的なヒップホップグループ」と称され、現在も根強い人気を誇るグループ「N.W.A.(エヌ・ダブル・エー)」。
西海岸のヒップホップシーンを世界中に轟かせた伝説的なグループと言われる存在です。
グループ名の「N.W.A.」とは「Niggas With Attitube(主張する黒人達)」という名称を略して頭文字を選んだものであり、貧困や人種差別に苦しむ黒人の人々から絶大な支持があり、多くの共感を生み出し大ヒットに至ります。
しかし、アメリカでは彼らの暴力的な歌詞を真に受けた者も多く現れ、また人種差別や貧困格差などを痛烈に批判した内容など、過激な表現が多く大きな社会問題にも発展しました。
中でも「N.W.A.」の代表曲「ファック・ザ・ポリス」はFBIから警告が届いたほど過激な曲であります。
「N.W.A.」の伝記的な映画「STRAIGHT OUTTA COMPTON」にて改めて脚光を浴び、この映画により「N.W.A.」を知る機会を得た人も多くおりますが、彼らがリリースする楽曲のほとんどの歌詞は過激で放送コードに抵触したものが多く、日本語版CDでは対訳はもとより原詞も割愛されているほど。
そんな彼らがリリースする楽曲は、時代を象徴するトラックの使い方とメッセージ性が強いのが特徴です。古くなっても色あせず、力強さを放つ「N.W.A.」のおすすめ楽曲をご紹介します!
おすすめのアルバム
N.W.A Greatest Hits
<N.W.A.>
「N.W.A」を初めて聴く方におすすめのアルバム。
伝説的な楽曲から、話題になった超問題作まで凝縮しているとっておきの一枚です。
ギャングスタラップを世に知らしめた圧倒的な完成度のアルバムです!
おすすめ楽曲①
Straight Outta Compton
(Extended Mix) [Edit]
<N.W.A.>
要チェック!
楽曲No.8
「Straight Outta Compton」
「N.W.A」と言ったらこの曲「Straight Outta Compton」。
彼らの代表的な1曲であり、当時のヒップホップシーンを大きく塗り替えるほどの衝撃的な作品としてシーンに登場します。
少しテンポが早くてメロディーラインも上がり目なトラックが特徴であるこの曲は、歌詞の内容がとにかく過激!!!
このアルバムがシーンに登場した当時は「金・女・暴力」を如何に誇示して表現するのが競われていた時代。
日本じゃ放送コードに引っかかりまくりで笑えてきますが、曲全体は完成度が非常に高いです!
おすすめ楽曲②
Fuck Tha Police
<N.W.A.>
要チェック!
楽曲No.2
「Fuck Tha Police」
こちらの楽曲もかなりの話題を呼んだ問題作「Fuck Tha Police」。
だって曲名が「くたばれ警察」ですよ?日本じゃまず販売できないと言うか、ここまで過激なタイトルは日本ではまず見かけませんよね!
そして歌詞の内容がとにかく超過激です!ですが現在も色濃く残る人種差別の延長線状を、彼らがリアルに綴った1曲であると私は思っています。
やや変則的なトラックと軽快なリズム打ちに過激なリリックが見事にマッチ。こちらも完成度が超高めですね!
おすすめ楽曲③
Alwayz Into Somethin’
<N.W.A.>
要チェック!
楽曲No.7
「Alwayz Into Somethin’」
こちらの曲も歌詞は相変わらず過激ですが、西海岸らしいG-Funkテイストを匂わせるメロディーラインと、ゆったりしたテンポが特徴な1曲。
ウエストコーストヒップホップの特徴ともいえる「シンセサイザー」を使用し、ゆったりとしたビートにうまく合わせる事により、トラックの「西海岸らしさ」を前面に押し出しています。
Dr.Dre
(ドクター・ドレー)
「G-Funk」の起源人としてヒップホップに革命をもたらし、ヒップホップミュージックシーンの中で最も影響力があり、今もなお様々なアーティストや様々な音楽シーンに影響を与え続けている「Dr.Dre(ドクタードレー)」。
これまでにグラミー賞を6回も受賞し、「エミネム、50セント、ケンドリック・ラマー」など多くのラッパーをスターダムに押し上げた名プロデューサーとしても知られています。
「N.W.A」においても大きな功績を残し、世代を超えて今もなお愛され続けている彼の楽曲は、トラックが非常にシンプルで重厚的なものが多く、一見簡単そうで絶対に誰にも真似できない完成度の高さがオススメポイントです。
おすすめのアルバム
2001
<Dr.Dre>
「Dr.Dre」が圧倒的に有名となった楽曲が詰まった1枚。
このアルバムは「G-Funk」というジャンルを確固たるものにしたアルバムとも言えます。
客演しているゲスト達も西海岸を代表しているアーティストばかりでオススメです!
おすすめ楽曲①
The Next Episode
<Dr. Dre feat. Snoop Dogg, Nate Dogg, Kurupt>
要チェック!
楽曲No.11
「The Next Episode」
日本のヒップホップシーンでも超絶大ヒットを記録したこの楽曲は、まさに威風堂々な仕上がり。
スローテンポでしっかり安定したビート、そして客演アーティスト達の言葉遊びが超完璧です。
楽曲ががリリースされたとき、そこら中のクラブでかかっていたのを今でも覚えています。
おすすめ楽曲②
Still D.R.E.
<Dr. Dre feat. Snoop Dogg>
要チェック!
楽曲No.4
「Still D.R.E.」
こちらも「The Next Episode」に続く大ヒットしたナンバー。
軽快でありながら太めで安定したビート、テンポはややスローでありながら、メロディーラインでテンポが早く感じる様な仕上がり。
こんなトリックがかかった楽曲は世界中で彼にしか作り上げることはできませんね!
おすすめ楽曲③
It’s All On Me
<Dr. Dre feat. Justus & BJ the Chicago Kid>
要チェック!
楽曲No.4
「It’s All On Me」
「GANGSTA RAP(ギャングスタラップ)」と「FUNK(ファンク)」を掛け合わせ、「G-Funk」というジャンルを確立した彼がリリースする本物の「G-Funk」な楽曲はこちら。
ゆったりとしつつビートが安定していて、ラップなのに何処と無く聴きやすいのがオススメポイント。
おすすめ楽曲④
ETA
<Dr. Dre feat, Snoop Dogg, Busta Rhymes & Anderson Paak>
ベテラン勢が変則的なラップでトラックを歌いこなしている1曲。
トラックはメロディーラインがややスローダウン気味でありつつ、ビートは軽快でリズム打ちがしっかりしている。
このような複雑なトラックを作れるのは「Dr.Dre」の右に出るものはないでしょう。
おすすめ楽曲⑤
The Message
<Dr.Dre feat. Mary J. Blige & Rell>
要チェック!
楽曲No.22
「The Message」
こちらもめっちゃくちゃトラックがオシャレというか大人というか、ラップミュージックでもリラックスできる事をしっかり証明してくれた1曲。
ビートの使い方が神レベル、メロディーの構成も絶妙神レベル、正に西海岸の伝説と呼ばれるのにふさわしいアーティストです。
Ice Cube
(アイスキューブ)
「N.W.A」としてキャリアをスタートさせ、ソロ転向や新しいユニットへの参加、俳優や映画監督業にもチャレンジし、様々な功績を残してきた「ICE CUBE(アイスキューブ)」。
彼がラップするときのスタイルは前のめりで、日本語で例えるなら喧嘩腰と言ったらピッタリでしょう。
彼が創造する楽曲はどれも個性的で、アップテンポからチルアウトまで様々な楽曲がリリースされてきました。
どれも時代を象徴するかのような個性が詰められていますが、ラップの仕方、特に言葉の選び方は内容が濃くてスラングもバリエーション豊富、絶妙だと思います。
西海岸代表アーティストに名をつなれている「ICE CUBE」、50歳を超えてもいまだに現役で活躍する彼の「前のめりで喧嘩腰なスタイル」はどれもオススメです!
おすすめのアルバム
Lethal Lnjection
<Ice Cube>
少し古いアルバムですが、時代の波に飲まれる事なく今もなお威厳を放つこのアルバムは、「ICE CUBE」の全盛期を象徴していると言っても過言ではありません。
攻撃的な前のめりラップをぜひお楽しみください。
おすすめ楽曲①
You Know How We Do It
<Ice Cube>
要チェック!
楽曲No.4
「You Know How We Do It」
本国アメリカで大ヒットし、「ICE CUBE」の代表的な1曲となった「You Know How We Do It」。
「G-Funk」を象徴するメロディーラインとやや軽めのビートがクセになります。
ラップなのにゆったり出来る楽曲とは、本当不思議な感覚です。
おすすめ楽曲②
It Was a Good Day
<Ice Cube>
要チェック!
楽曲No.7
「It Was a Good Day」
こちらの楽曲もめっちゃくちゃ大ヒットした伝説的なナンバー。
当時は「G-Funk」と呼ばれるスタイルの楽曲が少なかったため、聴く人からしたら不思議な感覚に陥ったのではないでしょうか?
私自身も初めて聞いたとき「なんだこの独特のリズム感は!?」とヘビーローテーションしていました。
おすすめ楽曲③
We Be Clubbin’
<Ice Cube>
要チェック!
楽曲No.3
「We Be Clubbin’」
こちらは「ICE CUBE」の定番スタイルとも言える喧嘩腰な歌い方が特徴の1曲。
トラック自体はあまり攻撃的ではないのですが、リリックがななかなか攻めていてお手の物です。
言葉選びも抜群でおすすめの1曲です!
おすすめ楽曲④
Arrest the President
<Ice Cube>
要チェック!
楽曲No.2
「Arrest the President」
こちらはトラック、リリックともに攻めに攻めてい1級品!
一言で言うならば「かっけえ1曲」と例えればピッタリかもしれません。
ビートのリズム打ちも強めで彼のスタイルが前面に押し出されておすすめです!
おすすめ楽曲⑤
Do Ya Thang
<Ice Cube>
要チェック!
楽曲No.9
「Do Ya Thang」
この楽曲は私的に100点満点のアップテンポなナンバー!
まずはトラックの鮮麗さ!新しい音源を贅沢に使い、いうまでもなくカッコい仕上がり。
そして抑え気味ながらも攻撃的なラップは中毒性満載!オススメです。
Eazy-E
(イージー・イー)
「N.W.A」の発起人であり、「ギャングスタラップのゴットファーザー」と呼ばれるほどの実力を持つ「Eazy-E(イージー・イー)」。
彼もアメリカ・カルフォルニア州コンプトンで生まれ、ラップを始める前はドラックにより生計を立てるなど、生粋なギャング出身でした。
声のキーがやや高く、独特なリズム感と超攻撃的なリリックが圧倒的な人気を誇る彼ですが、病気により30歳という若すぎる年齢で惜しくもこの世を去ってしまいました。
彼がまだ存命であったならば、更に高みへ進んでいた事でしょう。
波乱万丈で太く短い生涯を終えた「Eazy-E」がこの世に残した楽曲は、未だに錆びる事なく金ピカです。
彼がリリースした楽曲は全てお勧めしたいところなんですが、ここは私の独断で選曲させていただきました。ぜひご視聴ください。
おすすめのアルバム
Easy-Duz-It
<Eazy-E>
「Eazy-E」と言ったら間違い無くこのアルバムをおすすめします。
全てにおいて曲の完成度が圧倒的なんですが、なんと言っても「Boyz-n-the-Hood」が収録されているところです。
また6曲目の「Eazy-Daz-It」もアルバムのタイトルに選ばれるほどの完成度!超おすすめです!
おすすめ楽曲①
We Want Eazy
<Eazy-E feat. MC Ren & Dr. Dre>
要チェック!
楽曲No.7
「We Want Eazy」
「Eazy-E」が歌う曲はどちらかと言うと変則的な楽曲が多い気がしますが、この「We Want Eazy」は終始ビートが安定しており、スローでありながらメロディーラインをアップナンバーに仕上げているところがおすすめです!
おすすめ楽曲②
Boyz-n-the-Hood
<Eazy-E feat. Ice Cube>
要チェック!
楽曲No.5
「Boyz-n-the-Hood」
こちらはもはや説明不要、「Eazy-E」の代表作となった1曲「Boyz-n-the-Hood」。極太のビートとシンプルなメロディーラインをうまく使い分け、トラックの強さをねじ伏せながら奏でるラップが超癖になる1曲です。
おすすめ楽曲③
Luv 4 Dem Gangsta’z
<Eazy-E>
要チェック!
楽曲No.1
「Luv 4 Dem Gangsta’z」
こちらは悪さ全開の太めビートと、上から下へ差し込むようなメロディーラインが印象的な1曲。
歌詞の内容もかなり過激でありますが、過酷な生き様が伺える印象的な部分もあり、「Eazy-E」がリアルにギャングスタの現状を伝えるメッセージ性が強いおすすめの曲です!
おすすめ楽曲④
It’s On
<Eazy-E>
要チェック!
楽曲No.6
「It’s On」
めっちゃくちゃ安定している力強くて太い「ヘビービート」を使い、安定したリズムの中で軽快にラップしているおすすめの1曲。
トラックとリリックのバランスが十分に取れており、アルバムのリードシングルともなっており超おすすめです!
「おすすめ楽曲⑤
Boyz n Tha Hood (G-Mix)
<Eazy-E>
要チェック!
楽曲No.7
「Boyz n Tha Hood (G-Mix)」
この曲は曲の題名の通り「Boyz n Tha Hood」をG-FUNKでアレンジしたとっても魅力的な1曲。
もともとベースの曲もテンポが早くなかったことから実現したリミックス、こちらもおすすめです!
WEST SIDE COLLECTION
「西海岸伝説の始まり」
のまとめ
いかがでしたか?今回ご紹介したのは、西海岸の伝説とも言われるグループ「N.W.A」と、グループに所属する代表的なメンバー「Dr Dre」「Ice Cube」「Eazy-E」をそれぞれご紹介いたしました。
次回は「N.W.A」を追い越す勢いで登場し、西海岸伝説を塗り替えるほどの実力を持った「黄金世代」を特集してみたいと思います。こうご期待!
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