数あるジャンルの中で根強い人気を誇る「HIPHOP」。
今では多くのスタイルが確立し、ヒップホップといえど年代やエリア毎に曲調が大きく異なるなど多岐にわたり、現在も進化を続けています。
数あるヒップホップスタイルの中で「西海岸ヒップホップ」というキーワードをご存知でしょうか?英語で表現するならば「WEST SIDE」や「WEST COAST」などの表現にあたります。
今回ご紹介するのは、超個性的で圧倒的なハードコアラップを武器に「西海岸ヒップホップ」を確固たるジャンルへと導いた「西海岸の黄金世代」の3人であり、「N.W.A」出身の「Ice Cube」を中心に結成されたユニット「West Side Connection」と、ユニットのメンバーである「WC」「Mack10」をそれぞれご紹介します。
初めて聞く方でも分かりやすいように、曲やアルバム毎に私なりの解説を入れてありますので参考にしてみてください。
初めてヒップホップを聴く方へのわかりやすい解説を目指していますが、専門用語を含む表現が所々あります。
聞きなれない表現もあるかと思いますので大まかな専門用語をまとめてみました。以下参考にしてみてください。
【メロディー/メロディーライン】
=曲を聴いたときに単一の実体として聴こえる音の線形を指します。
【ビート/ベースライン】
=「生ドラム」や「ドラムマシン」などを用いた重低音により、演奏するリズムまたはパターンを指します。
【トラック】
=ビートとメロディーを合体させた音の総称を指します。
【リリック】
=ラップ部分の歌詞を指します。
【ライム】
=似たような響きをもつ言葉を同じリズムで発することを指します。
【フロウ】
=声の高さや強弱・速度に変化をつけ、曲を印象付ける歌いまわしのことを指します。
【スラング】
=ヒップホップ専門の造語や、仲間内にだけ通じる暗号のような言葉を指します。
【メロー】
=ゆったり落ち着いたスローテンポな曲調で、繊細さを感じる曲調を指します。
【フリースタイル】
=その場で即座に歌詞をつけてラップを行うスタイルを指します。
【G-FUNK(ジー・ファンク)】
=ギャングスタ・ファンクの略。落ち着いた雰囲気のトラックにハードなラップを合わせたものを指します。
WEST SIDE CONNECTION
(ウエストサイドコネクション)
「Ice Cube」「Mack10」「WC」の3人で結成されたユニット「West Side Connection(ウエストサイドコネクション)」。
ユニット結成のきっかけはメンバー全員がアメリカのロサンゼルス、サウスセントラル地区の西側出身であることから由来しています。
一人一人が個性的な歌唱スタイルで観客を魅了し、圧倒的な完成度の高さを誇るギャングスタラップにより、西海岸ヒップホップシーンの発展に大きく貢献してきました。
いつも前のめりでけんか腰にラップする「Ice Cube」、堂々とした雰囲気で流暢なラップをかます「Mack10」、変則的でありながら悪さ全開のハードコアなラップを繰り広げる「WC」。
個性派ぞろいで凄腕スキルを持つ3人が揃って作り上げられた楽曲は、全てにおいてハードコアラップの真骨頂と呼ぶにふさわしい作品です。
西海岸の強者達が切磋琢磨して練り上げられた楽曲をご紹介します。
おすすめのアルバム
The Best Of West Side Connection
<WEST SIDE CONNECTION>
Apple Musicで確認できるアルバムは残念ながらこれ1枚のみ、、、ですが内容は充実しすぎているほどの名曲ばかり。
「WEST SIDE CONNECTION」を知るのには、十分すぎるくらい満足いく内容のアルバムとなっています。
おすすめ楽曲①
Lights Out
<WEST SIDE CONNECTION>
要チェック!
楽曲No.6
「Lights Out」
軽快なリズム打ちと爽やかなメロディーラインが特徴の1曲。
いつも激しいギャングスタラップをぶちかます彼らですが、この曲だけはリズムにゆったり合わせて流すようなラップを披露してくれています。
おすすめ楽曲②
Gangsta Nation (2007 Edit)
<WEST SIDE CONNECTION>
要チェック!
楽曲No.5
「Gangsta Nation (2007 Edit)」
「WEST SIDE CONNECTION」の代表作の一つ「Gangsta Nation」。
「Nate Dogg」が客演に加わり、太くて甘いコーラスを武器に3人を後押ししています。
やや速いピッチに軽めのビートが爽快感を演出しつつ、全開のギャングスタラップが曲全体を引き締めていておすすめです。
おすすめ楽曲③
Hoo-Bangin’ (WSCG Style)
<WEST SIDE CONNECTION>
要チェック!
楽曲No.11
「Hoo-Bangin’ (WSCG Style)」
無駄なメロディーラインを省き、太めのビートが曲の主体となっている「上級者向けトラック」を見事にまとめ上げた楽曲。
それぞれの個性的なスタイルを武器にラップを披露しており、彼ら3人の歌唱能力の高さが伺えます。
おすすめ楽曲④
The Guppies
<WEST SIDE CONNECTION>
要チェック!
楽曲No.12
「The Guppies」
こちらの楽曲も余計なメロディーラインを使わず、軽快なリズム打ちと強めのビートが主体となっている1曲。
リズムを崩すことなくサラサラ歌いつつも、リリック内容は相変わらず過激です、、、。
おすすめ楽曲⑤
Terrorist Threats
<WEST SIDE CONNECTION>
要チェック!
楽曲No.18
「Terrorist Threats」
「WEST SIDE CONNECTION」を象徴するにふさわしい超おススメの曲。
どっしり構えた太めのビートに攻撃的なメロディーライン、そしてお馴染みの超ハードコアなギャングスタラップを、曲調を崩さず見事にハメて曲を仕上げています。
超おススメの1曲!
Ice Cube
(アイスキューブ)
「N.W.A」としてキャリアをスタートさせ、ソロ転向や新しいユニットへの参加、俳優や映画監督業にもチャレンジし、様々な功績を残してきた「ICE CUBE(アイスキューブ)」。
彼がラップするときのスタイルは前のめりで、日本語で例えるなら喧嘩腰と言ったらピッタリでしょう。
彼が創造する楽曲はどれも個性的で、アップテンポからチルアウトまで様々な楽曲がリリースされてきました。
どれも時代を象徴するかのような個性が詰められていますが、ラップの仕方、特に言葉の選び方は内容が濃くてスラングもバリエーション豊富、絶妙だと思います。
西海岸代表アーティストに名をつなれている「ICE CUBE」、50歳を超えてもいまだに現役で活躍する彼の「前のめりで喧嘩腰なスタイル」はどれもオススメです!
おすすめのアルバム
Lethal Lnjection
<Ice Cube>
少し古いアルバムですが、時代の波に飲まれる事なく今もなお威厳を放つこのアルバムは、「ICE CUBE」の全盛期を象徴していると言っても過言ではありません。
攻撃的な前のめりラップをぜひお楽しみください。
おすすめ楽曲①
You Know How We Do It
<Ice Cube>
要チェック!
楽曲No.4
「You Know How We Do It」
本国アメリカで大ヒットし、「ICE CUBE」の代表的な1曲となった「You Know How We Do It」。
「G-Funk」を象徴するメロディーラインとやや軽めのビートがクセになります。
ラップなのにゆったり出来る楽曲とは、本当不思議な感覚です。
おすすめ楽曲②
It Was a Good Day
<Ice Cube>
要チェック!
楽曲No.7
「It Was a Good Day」
こちらの楽曲もめっちゃくちゃ大ヒットした伝説的なナンバー。
当時は「G-Funk」と呼ばれるスタイルの楽曲が少なかったため、聴く人からしたら不思議な感覚に陥ったのではないでしょうか?
私自身も初めて聞いたとき「なんだこの独特のリズム感は!?」とヘビーローテーションしていました。
おすすめ楽曲③
We Be Clubbin’
<Ice Cube>
要チェック!
楽曲No.3
「We Be Clubbin’」
こちらは「ICE CUBE」の定番スタイルとも言える喧嘩腰な歌い方が特徴の1曲。
トラック自体はあまり攻撃的ではないのですが、リリックがななかなか攻めていてお手の物です。
言葉選びも抜群でおすすめの1曲です!
おすすめ楽曲④
Arrest the President
<Ice Cube>
要チェック!
楽曲No.2
「Arrest the President」
こちらはトラック、リリックともに攻めに攻めてい1級品!
一言で言うならば「かっけえ1曲」と例えればピッタリかもしれません。
ビートのリズム打ちも強めで彼のスタイルが前面に押し出されておすすめです!
おすすめ楽曲⑤
Do Ya Thang
<Ice Cube>
要チェック!
楽曲No.9
「Do Ya Thang」
この楽曲は私的に100点満点のアップテンポなナンバー!
まずはトラックの鮮麗さ!新しい音源を贅沢に使い、いうまでもなくカッコい仕上がり。
そして抑え気味ながらも攻撃的なラップは中毒性満載!オススメです。
WC
(ダブシー)
スキンヘッドにインパクトのある顎髭、そして巨漢でありながらも軽快なステップで繰り出すC-Walkが神レベル、「West Side Connection」の暴君こと「WC(ダブシー)」はラップスキルはもちろんのこと、見た目もインパクトのある西海岸ヒップホップの重鎮と呼ばれる存在です。
特にPVなどで見られるC-Walkの腕前はかなりのもの。
元はアメリカのギャンググループ「Crips」が敵対ギャングに勝利した時に行うダンスで、上半身を動かさずテクニカルなステップによるC-Walkは、本物のギャングが思わず尻込みしてしまうほどの腕前を持ちます。
リズムに対して変則的にラップしたり、巻き舌気味にラップしてみたり、基本的には攻撃的なリリックが多い「WC」ですが、ユニットの中では感情むき出しの全開でラップしている姿が多い気がします。
そんな「WC」がリリースしたおススメの楽曲をご紹介いたします。
おすすめアルバム
Ghetto Heisman
<WC>
おすすめのアルバムはこちら「Ghetto Heisman」。
全体的にアップテンポなナンバーが揃っていて、「Ice Cube」「Mack10」「Snoop Dogg」「Nate Dogg」などの豪華な客演も魅力の一つ。
その中でしっかり実力を発揮している「WC」のラップは聞きごたえ抜群です!
おすすめ楽曲①
The Streets
<WC feat. Snoop Dogg & Nate Dogg>
要チェック!
楽曲No.3
「The Streets」
ややスローなテンポに、ストリートを感じさせるシンプルなメロディーラインと重厚感あふれるビート、そして西海岸の大物「Snoop Dogg & Nate Dogg」を客演に迎えた豪華な作品。
曲の雰囲気を壊さずリズミカルかつ変則的にラップしているのが印象的。PVもなかなか面白いですよ!
おすすめ楽曲②
Worldwide Gunnin’
<WC>
要チェック!
楽曲No.9
「Worldwide Gunnin’」
ビートが太くて安定したリズム打ちで、G-Funkスタイルな落ち着きあるゆったりとしたトラックに、曲の冒頭からNGワード連発の痛烈なラップをかましたナンバー。
リズムを乱すことなくスムーズなラップで、曲のラストまでがっつりラップしています。かっこいいわ本当、、、、
おすすめ楽曲③
Just Clownin’
<WC>
要チェック!
楽曲No.7
「Just Clownin’」
こちらもゆったりとしたG-funkのビートが印象的なナンバー。
こちらの曲はPVが作成されリリースされていますが、ベンツのボンネットの上でC-Warkを踊るなど、破天荒すぎるところがめちゃくちゃ印象的でおススメです!
おすすめ楽曲④
Like That
<WC feat. Ice Cube, CJ Mac and Daz Dillinger>
要チェック!
楽曲No.10
「Like That」
リズミカルで軽めのビートを使ったリズム打ち、落ち着きのあるメロディーラインを用いたトラックに、こちらも豪華な客演アーティストが集合したナンバー。
ラップも全員が流暢でクールなラップを披露していておすすめ!
おすすめ楽曲⑤
You Know Me
<WC feat. Ice Cube & Maylay>
要チェック!
楽曲No.2
「You Know Me」
ウエストコーストを色濃く表現したメロディーラインですが、「WC」の中では珍しい超スローテンポな1曲。
スローピッチでもしっかりトーンをつけながらリズミカルにラップを披露してくれています。
MACK10
(マックテン)
言葉を詰め込み過ぎず、堂々とした振る舞いで流暢なラップを披露する「Mack10(マックテン)」。
「Ice Cube」のサポートによりデビューした「Mack10」は、ソロ活動を得て「West Side Connection」に参加。
瞬く間にヒット曲を量産し、一気にスターダムへと駆け上がります。
「Mack10」がリリースする曲は、G-Funk主流の「落ち着いていて太くて強めのビート」が施されたトラックが多く使われて、R&Bと区別しても差がほとんどない「甘~いゆったりとしたトラック」なども多く使われています。
「Ice Cube」の様な攻撃的で前のめりなラップスタイルとは正反対で、流暢で語り掛けるようなギャングスタラップはG-Funkのビートにめちゃくちゃ馴染みます。
落ち着いたギャングスタラップを披露する「Mack10」のおすすめなアルバム&曲をご紹介します。
おすすめアルバム
The Recipe
<Mack10>
「Mack10」の必聴アルバムはこちら「The Recipe」。
アルバム全体を通してとにかくビートが太くて強め、肩でリズムを取りたくなるような軽快なメロディーライン、安定しているG-Funkベースラインを中心に構成されているところがおすすめポイント。
おすすめ楽曲①
1 Crew in the Area
<Mack10 Feat. K-Mac. Techniec. MC Ehit. CJ Mac.WC. Boo Kapone. Binky. Thump. Tha Roadawgs>
要チェック!
楽曲No.14
「1 Crew in the Area」
「Mack10」がリリースした曲の中で最も客演の多い1曲。
とにかくトラックがめっちゃくちゃかっこいいです!生のドラムを使った極太ビートが曲全体をしっかりとリードしつつ、客演の全員がしっかりリズムを捉えて攻めのラップを披露しています!
おすすめ楽曲②
Get Yo Ride On
<Mack 10 feat. Eazy-E. MC Eiht.>
要チェック!
楽曲No.5
「Get Yo Ride On」
ギャングスタラップのゴッドファーザーこと「Eazy-E」と、ウエストコーストラップのベテラン「MC Ehit」が客演した作品。
太めのビートを軽快なリズムに当てはめ、少しネガティブなメロディーラインと合わせて見事に歌われています。
おすすめ楽曲③
The Testimony
<Mack10 feat. Pastor Steven amilton. Young Soprano>
要チェック!
楽曲No.6
「The Testimony」
ドラムによるベースラインが心地よいトラックに、スローテンポでゆったり落ち着きのある語り掛けるようなラップを披露している1曲。
「Mack10」のラップは誰よりもG-Funkのトラックによく合いますね。おススメです!
おすすめ楽曲④
Welcome To The Hood
<Mack10 feat. Kmac, Skoop>
要チェック!
楽曲No.2
「Welcome To The Hood」
こちらはR&B寄りのセクシーなメロディーラインが特徴のトラックに、相変わらずゆったりとした流暢なラップを披露した1曲。
ゴリゴリのギャングスタラップを甘いトラックに載せて歌いこなせるのは「Mack10」の右に出る者はいないでしょう。
おすすめ楽曲⑤
Money’s Just a Touch Away
<Mack10>
要チェック!
楽曲No.6
「Money’s Just a Touch Away」
「Mack10」がリリースする多くの楽曲の中で、一番と言っていいほどメローな曲がこちら「Money’s Just a Touch Away」。
R&Bの曲調に最も近い安定したメロディーラインは、ヒップホップの中では珍しい「リラックス出来るヒップホップ」を見事に演出しています。
WEST SIDE COLLECTION
「西海岸の黄金世代ver.1」
のまとめ
いかがでしたか?
超個性的で圧倒的なハードコアラップを武器に「西海岸ヒップホップ」を確固たるジャンルへと導いた「西海岸の黄金世代」の3人であり、「N.W.A」出身の「Ice Cube」を中心に結成されたユニット「West Side Connection」と、ユニットのメンバーである「WC」「Mack10」をそれぞれご紹介いたしました。
気に入ったアーティストや楽曲はありましたでしょうか?
次回は「Snoop Dogg」が中心となって組んだG-Funkユニット「213」と、ユニットに参加している「Nate Dogg」「Warren G」をご紹介いたします。
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