数あるジャンルの中で根強い人気を誇る「HIPHOP」。
今では多くのスタイルが確立し、ヒップホップといえど年代やエリア毎に曲調が大きく異なるなど多岐にわたり、現在も進化を続けています。
数あるヒップホップスタイルの中で「西海岸ヒップホップ」というキーワードをご存知でしょうか?英語で表現するならば「WEST SIDE(ウエストサイド)」や「WEST COAST(ウエストコースト)」などの表現にあたります。
今回ご紹介するのは「西海岸ヒップホップ=ハードコアラップ」という概念をやわらげ、R&Bに近いトラックに流れるように歌うスタイル「G-Funk」を確立させた伝説のグループ「213」と、メンバーの「Snoop Dogg. Nate Dogg. Warren G」をご紹介いたします。
リラックスできてしまうほどの力を持つ「G-Funk」は、ヒップホップを全く聞いたことがない方でも聞き入りやすくておすすめです。
初めて聞く方でも分かりやすいように、曲やアルバム毎に解説を入れてありますので参考にしてみてください。
初めてヒップホップを聴く方へのわかりやすい解説を目指していますが、専門用語を含む表現が所々あります。
聞きなれない表現もあるかと思いますので大まかな専門用語をまとめてみました。以下参考にしてみてください。
【メロディー/メロディーライン】
=曲を聴いたときに単一の実体として聴こえる音の線形を指します。
【ビート/ベースライン】
=「生ドラム」や「ドラムマシン」などを用いた重低音により、演奏するリズムまたはパターンを指します。
【トラック】
=ビートとメロディーを合体させた音の総称を指します。
【リリック】
=ラップ部分の歌詞を指します。
【ライム】
=似たような響きをもつ言葉を同じリズムで発することを指します。
【フロウ】
=声の高さや強弱・速度に変化をつけ、曲を印象付ける歌いまわしのことを指します。
【スラング】
=ヒップホップ専門の造語や、仲間内にだけ通じる暗号のような言葉を指します。
【メロー】
=ゆったり落ち着いたスローテンポな曲調で、繊細さを感じる曲調を指します。
【フリースタイル】
=その場で即座に歌詞をつけてラップを行うスタイルを指します。
【G-FUNK(ジー・ファンク)】
=ギャングスタ・ファンクの略。落ち着いた雰囲気のトラックにハードなラップを合わせたものを指します。
213
(トゥーワンスリー)
ゆったりとした心地の良いG-Funkのビートに、やや緩めのスタイルでギャングスタラップを披露するユニット「213(トゥーワンスリー)」。
アメリカ合衆国カリフォルニア州ロングビーチを拠点としてキャリアをスタートさせた彼らは、それぞれ音楽業界にて名を轟かせています。
「213」の中心人物「Snoop Dogg」は「Dr.Dre」のプロデュースを受け、リリースした曲がスマッシュヒットを連発するなど多大な功績を残し、西海岸のBossと呼ばれるほどの名声を手に入れています。
一方「Nate Dogg」は、ソロプロジェクトよりもヒップホップ勢とのコラボレーションでの評価が高く、2004年時点では客演してチャートインしたシングルの数は60を超えるほどの影響力をもっています。
モンスター級の2人と比べるとやや消極的な印象が残る「Warren G」ですが、「Dr.Dre」に二人を紹介するなどのきっかけを作り、「Warren G」自身もドクター・ドレーが発表したアルバム「Chronic」への貢献を皮切りにキャリアが始まっています。
残念ながらapple Musicにおいて「213」名義のアルバムや楽曲は見つける事が出来ませんでしたが、「Nate Dogg」名義で曲を見つける事が出来ましたのでご紹介いたします。気になる曲はチェックしてみてください。
おすすめ楽曲①
So Fly
<213>
要チェック!
楽曲No.3
So Fly」
「Nate Dogg」名義の楽曲となっていますが、「So Fly」は「213」がリリースした「Welcome 2 Tha Chuuch Vol.2」に収録されているリードシングルです(現在日本国内では原曲は聞けないようです)。
G-Funk調の心地よいトラックはゆったりしてリラックスでき、聞きごたえ抜群です!
おすすめ楽曲②
Groupie Love
<213>
要チェック!
楽曲No.38
「Groupie Love」
こちらも「213」の中でもっとも有名な曲「Groupie Love」。
G-Funk調でありながら、1癖も2癖もある変わったトラックにスムーズなラップを披露しています。
「Nate Dogg」の芯のある太いコーラスが癖のあるラップを見事に中和しています。
おすすめ楽曲③
Game Don’t Wait
<213 feat. Xzibit>
要チェック!
楽曲No.20
「Game Don’t Wait」
変則的なトラックに変則的なギャングスタラップを載せた1曲。
一見バラバラに聞こえる不規則な曲ですが、リズムの合間に着地点を設けてラップをリセットしているプロテクニックを披露してくれています。
あまり耳にしない珍しいトラックだったのでおすすめしました!
Snoop Dogg
(スヌープドッグ)
アメリカ西海岸のヒップホップカルチャーにおいて、絶大的な人気と影響力を誇る「Snoop Dogg (スヌープ・ドッグ)」。
アメリカロサンゼルス・ロングビーチ出身の彼は、アメリカ最大の2大ギャンググループ「Crips」の元メンバーで、生粋のギャング出身のラッパーです。
ギャングメンバーとして幼少期を過ごしてきた彼がラップミュージックに可能性を見出し、同じロングビーチ出身の「Warren G(ウォーレンジー)&Nate Dogg(ネイトドッグ)」と共に「213」というユニットを結成し活動を始めます。
コンスタントに活動を続ける中、当時「N.W.A」として活動していた「Dr.Dre」に才能を見出され、西海岸のギャングの生き様をリアルに描き、強烈な世界観を提示したデビューアルバム「ドギースタイル」をリリース。
瞬く間に驚異的な大ヒットを記録、アメリカ西海岸を代表するラッパーとなります。
今もなお活動のピッチは衰えず、客演として様々な楽曲への参加やオリジナルアルバムのリリースも続けています。
音楽活動にとどまらず、俳優業やバスケットボールチームなどの結成など、音楽シーンにとどまらず様々な場面で活躍する「Snoop Dogg」。
彼が歌う曲は、ゆったりでありながらも芯がしっかりしていて言葉選びも繊細、そんなスヌープが歌うおすすめ楽曲をご紹介いたします。
おすすめのアルバム
R&G(Rhythm&Gangsta)
<Snoop Dogg>
アルバムタイトルに「Rhythm&Gangsta(リズム&ギャングスタ)」とありますが、「Snoop Dogg」が起源となる「新しいヒッポホップのスタイル」と読んでも過言ではありません。
安定したゆったりとしたトラックにギャングスタラップを載せる新しい形を証明したアルバム、おすすめです!
おすすめ楽曲①
Bacc In da Dayz
<Snoop Dogg feat. Big Tray Deee>
要チェック!
楽曲No.3
「Bacc In da Dayz」
太くて安定しているビートに、「Snoop Dogg」がゆったりしたラップを披露した1曲。
スクラッチの効果も取り入れメロディーラインはややハイテンポ。「G-Funk」を感じさせてくれる聴きやすい1曲です。
おすすめ楽曲②
Ups & Downs
<Snoop Dogg feat. Bee Gees>
要チェック!
楽曲No.5
「Ups & Downs」
ゆったりとしたメロディーラインと太めのビート、そして軽快なリズム打ちがおすすめな1曲。
リズムからあえて外しながらラップすることの多い「Snoop Dogg」ですが、トラックの規則にしっかりと合わせて余力十分でラップをかましています。
トラックがめちゃくちゃかっこいいですね、、、、
おすすめ楽曲③
From Tha Chuuuch To Da Palace
<Snoop Dogg feat. Pharrell>
要チェック!
楽曲No.6
「From Tha Chuuuch To Da Palace」
BOSSの称号にふさわしい堂々とした極太のビート、ギャングスタを感じさせる強めのメロディーライン、それらが合わさった豪快なトラックを見事に乗りこなす「Snoop Dogg」。
彼の極上ラップが曲の完成度を圧倒的に押し上げています。超オススメな1曲です!
おすすめ楽曲④
Nuthin’ But A “G” Thang
<Dr. Dre & Snoop Dogg>
要チェック!
楽曲No.1
「Nuthin’ But A “G” Thang」
「Snoop Dogg」を一躍スターダムに押し上げた楽曲「Nuthin’ But A “G” Thang」。
ゆったり安定したビートに、ファンク調なメロディーライン&シンセサイザーを取り入れ「G-Funk」の名を確固たるものにした名曲中の名曲、是非おすすめしたい1曲です!
おすすめ楽曲⑤
I Believe In You
<Snoop Dogg feat. Latoiya Williams>
要チェック!
楽曲No.5
「I Believe In You」
「R&B」の楽曲として捉えても全く問題ないトラックとコーラス、そしてスヌープのラップが見事にマッチ。
「G-Funk」の代表的な1曲として迎えられても全く問題ないでしょう。
ゆったり聴けるギャングスタラップ、オススメです。
Nate Dogg
(ネイト・ドッグ)
芯のある太い声で奏でるセクシーなコーラスを武器に、西海岸ヒップホップカルチャーにて大きな功績を残した「Nate Dogg(ネイトドッグ)」。
彼も「213」からキャリアをスタートし、「Dr.Dre」がリリースした楽曲に参加するなど確実にキャリアを積み、西海岸ヒップホップの重要人物の一人としてカウントされています。
「213」を紹介した際に触れましたが、ヒップホップ勢とのコラボレーションでの評価が高く、西海岸ヒップホップにとどまらず、様々なスタイルのヒップホップアーティストと多くのコラボレーションを実現しています。
2001年には「Shade Sheist(シャイドシエスト)」との「Where I Wanna Be」、2003年には「50Cent」との「21 Questions」がビルボードチャートの全米トップとなり、2004年時点では客演してチャートインしたシングルの数は「60曲」を超えるほどの影響力をもっています。
アメリカのヒップホップカルチャーにおいて、もはや必要不可欠な存在となっている「Nate Dogg」。
ラップミュージックにひと花添える、男らしくて美しいコーラスを楽しめるおすすめの楽曲とおすすめのアルバムをそれぞれご紹介いたします。
おすすめのアルバム
Music and Me
<Nate Dogg>
「Nate Dogg」一押しのアルバムはこちら「Music and Me」。
コラボした作品が圧倒的に多い「Nate Dogg」ですが、ソロで歌う楽曲が多い貴重な1枚です。
R&Bアーティストなんじゃないの??と勘違いしてしまうほどの美しいコーラスが非常に魅力的です!
おすすめ楽曲①
I Got Love
<Nate Dogg>
要チェック!
楽曲No.1
「I Got Love」
スロージャズのようなゆったりしたトラックに、ゆったりとコーラスをのせた「Nate Dogg」のオリジナルナンバー。
ラップの合間のコーラスとして花を添えることの多い「Nate Dogg」ですが、ソロでもしっかり実力を見せ付けてくれます。
おすすめ楽曲②
My World
<Nate Dogg Feat. Nancy Fletcher>
要チェック!
楽曲No.7
「My World」
R&Bの使われるようなゆったりとしたテンポに、安定している太めのビート、そして地につくような芯のある歌声が魅力的な1曲。
スロージャムに近い仕上がりで、G-Funkの真髄ともいえる仕上がり、おススメの1曲です。
おすすめ楽曲③
Bag O’ Weed
<Nate Dogg feat. Fuskee, Tray Dee>
要チェック!
楽曲No.2
「Bag O’ Weed」
こちらの楽曲もチルアウトにピッタリなG-Funkのビート、そして「Nate Dogg」の安定したコーラスが魅力の1曲。
見た目の厳つさとは裏腹に相変わらず美声を発揮してくれています。
そして彼のコーラスはギャングスタラップとの相性抜群!
おすすめ楽曲④
Scared of Love
<Nate Dogg>
要チェック!
楽曲No.6
「Scared of Love」
スロージャズを彷彿とさせる甘いトラックに「Nate Dogg」のコーラスが乗っかることにより、めちゃくちゃ甘い仕上がりとなっている1曲。
「Nate Dogg」が使用するトラックは、G-Funkの中でもメローなトラックが多いので、ナイトシーンにおすすめなナンバーが多く揃っていますよ!
おすすめ楽曲⑤
Crazy, Dangerous
<Nate Dogg feat. Nancy Fletcher & SIX FEET DEEP>
要チェック!
楽曲No.6
「Crazy, Dangerous」
こちらもハイエンドR&Bに使われるようなスローで甘いトラック、そして語り掛けるような甘いコーラスを披露する「Nate Dogg」。
彼のコーラスは激しいギャングスタラップでもたちまち中和してバランスを保ってくれます。
Warren G
(ウォーレン・ジー)
歌い口が軽快で優しく、ギャングスタラップなのに癖がない歌唱力を披露する「Warren G(ウォーレン・ジー)」。
彼もロングビーチ出身のアーティストで「213」からキャリアをスタートさせ、ソロ活動を経て現在に至ります。
「N.W.A」や「West Side Connection」などのアーティストが奏でるハードコアラップとは正反対で、ゆったりとしたリズムに言葉をはめ込むような軽い語り口と、ゆったり目のメローチューンを多く使用して奏でるラップは、G-Funkを象徴する表現の仕方として多くの人に受け入れられました。
あまり認知されていないと思いますが、G-Funkというスタイルを基盤に載せた立役者は「Warren G」であると私は思っています。
彼の歌唱スタイルとトラックの使い分けが見事にマッチし、爽やかさすら感じる彼のおすすめアルバムと楽曲をご紹介いたします。
おすすめのアルバム
I Want It All
<Warren G>
「Warren G」のイイとこ取りとも言えるほど完成度の高いアルバム「I Want It All」。
西海岸=ギャングスタハードコアラップだけでは無いということを鋭く証明してくれた1枚。
アルバム全体でG-Funkスタイルをしっかり表現しており、ハードコアラップが苦手な方にはベストな1枚。
おすすめ楽曲①
Gangsta Love
<Warren G Feat. Rex. Nate Dogg. Kurupt>
要チェック!
楽曲No.2
「Gangsta Love」
流れるような軽いリズム打ちのビートと、リラックス出来るほどの甘いメロディーチューンに包まれながら歌われた1曲。
「Warren G」を筆頭に、それぞれのアーティストが流暢にラップしているのがとても魅力的です。
おすすめ楽曲②
Why Oh Why
<Warren G Feat. Daz Dillinger. Kurupt>
要チェック!
楽曲No.3
「Why Oh Why」
こちらも流れるようなやや速いピッチのビートに、曲のペースを速めさせるようなメロディーラインが組まれたG-Funkなトラック使いの1曲。
「Warren G」の切り込むような活舌が良いラップもおすすめポイントです。
おすすめ楽曲③
I Want It All
<Warren G feat. Mack10>
要チェック!
楽曲No.5
「I Want It All」
「King of G-Funk」と呼んでも比類ないほど完成度が高い1曲。
絶妙なピッチと安定したリズム打ち、そして甘い誘いをかますメロディーラインに、流暢で堂々とラップを披露する「Mack10」がコラボ。
G-Funkの基本が詰まりまくってるおすすめの1曲です!
おすすめ楽曲④
Westcoast Classic
<D3 The Rocstar & Warren G feat. Bad Azz & Butch Cassidy>
太めのビートでありながらリズムは変則的、メロディーラインはリラックス出来るようなゆったりとした仕上がりで、夕方のサンセットに合う様なメローな1曲。
ジャケット写真の様に「夕暮れに合うような雰囲気」を醸し出すこの曲は、夕方のドライブなどにもってこいですね!
おすすめ楽曲⑤
Party We Will Throw Now!
<Warren G Feat. Nate Dogg. The Game>
シンプルで太いビートとやや攻撃的なメロディーラインが印象的な「Warren G」にしてはちょっと珍しい前のめりな1曲。
「The Game」が客演しさらに攻撃的な印象になりますが、しかしそこは「Warren G」。
軽快なラップと「Nate Dogg」のコーラスで見事に曲のトーンを和らげています。
WEST SIDE COLLECTION
「ロングビーチの強者達」
のまとめ
いかがでしたか?
今回はアメリカ西海岸を代表するロングビーチ出身の「Snoop Dogg」が中心となって組んだG-Funkユニット「213」と、ユニットに参加している「Nate Dogg」「Warren G」をご紹介いたしました。
お気に入りの楽曲やアーティストは見つかりましたか?
次回は西海岸の伝説を継ぐ者編として「DPG」や「DAZ」、「Kurupt」をご紹介したいと思います!
次回もぜひご覧ください!最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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